『そぞろ歩き韓国』から『四季折々』に 

東京近郊を散歩した折々の写真とたまに俳句。

読書感想189  おとこの秘図

2015-12-18 00:14:54 | 小説(日本)

読書感想189  おとこの秘図

著者       池波正太郎

生没年      1923年~1990年

出身地      東京、浅草

出版年      1977年

出版社      (株)新潮社

 

☆☆感想☆☆

 火附盗賊改方の長官を務め、多くの盗賊を捕らえてきた徳山五兵衛秀栄(ひでいえ)は、家族にも知らせたくない秘密があった。密かに夜更けに秘戯図を描いていたのだ。忘れがたい母子であるお梶とお百合との交情を、絵巻物にして描きこんでいたのである。表の顔は非の打ちどころのない旗本で、家庭内でも妾一人もおかない謹厳実直な五兵衛だった。そんな五兵衛が春画を書き続けていたことが、家族にばれれば、今までの尊敬や威厳は失われ軽蔑と幻滅しか生まないことを五兵衛は確信していた。死ぬ前には処分しなければと思いつつやめることができない。

そうした五兵衛の裏の顔は奔放な若き日に育まれた。妾腹の息子として生まれた五兵衛は、嫡男の兄の急逝により、跡継ぎとなったが、父親は気にいらず、何度も廃嫡を画策し、ついには人を雇って殺そうとまでした。ついにここに至って腕に覚えのある五兵衛は、家から出奔し、一介の剣客として生きようと京都へ向かう。しかし世間知らずの十八歳の若者が道中手形もなく、大阪へ行けるはずもない。戸塚宿にほど近い山道で、3人の曲者に襲われている老人と娘を偶然助けたことから、五兵衛は秘密の道を案内され関所を越える。

この徳山五兵衛秀栄という人は火附盗賊改方の長官として実在している。しかし絵を描いたかどうかはわからない。この小説の中ではその芸術的な才能が一つの形をとって花開いて、五兵衛も読者も楽しませてくれる結末になっている。 

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四季折々676  秋の津久井湖城山公園1

2015-12-05 21:08:30 | まち歩き

12月初旬の快晴の一日。津久井湖を見下ろす津久井湖城山公園をぶらぶら。紅葉もそろそろ終わりだが、まだいくらか残っている。

パークセンターの背後の黄葉した銀杏が迎えてくれる。

エノキ。まだ黄葉していない。

四季の広場のピラカンサス。

四季の広場。

紅葉が半分終わったもみじ。

黄葉。

樹間の津久井湖。

相模川から相模湖方面を望む。

崖の斜面の南天。

林の中。

昔の作物を栽培している畑。刈り入れが終わっている。

展望広場の山道。

城坂。城山山頂へ向かう坂の入り口。紅葉の回廊。

「あきはきぬ紅葉はやどにふりしきぬ道ふみわけてとふ人はなし」(読人しらず『古今集』905年)

季節は冬でも、山は秋なのでこの和歌をどうぞ。 

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