時間的制約もあるかもしれないけれど、林冲の過去がすべて説明で終わってしまう。
起承転結の「起」の部分が弱いかな。林冲の兵学校の教官としての、妻との生活を見せ、
陰謀にはめられていくまでの悲劇と別離、それと並行して時代背景と梁山泊の存在を示し
両者が出会い、結びついていく流れを。
林冲の葛藤の源も芝居として見せることが出来たなら、彼の再生?蘇生していく過程も
よりドラマティカルなものになるんじゃないかな、と思う。
今のスタートだと、まず「対立」ありき。「敵」ありき。
で、何故そうなのかが、説明的要素が多く、一幕、もたれる部分もある。
王英と青華のエピソードは、恋のストーリーという以上に
王英のキャラクターを立てることに有効となっている。
青華と花嫁衣裳なんて言葉が出てくる件(くだり)や、王英と手を重ねるところは
どうしても、新・三国志のパート1、玉蘭を彷彿させる。
女でありながら剣を持って闘うところ、二刀流などなど。
ポニーテール(笑)も。
いろいろ、いいとこどりすぎる(笑)ところはあるけれど、
これが初めて、スーパー歌舞伎にしても
四代目の「ヤマトタケル」で知りましたーという新規の観客にとっては
新感覚の「歌舞伎」として映るのでしょうね。そして、そこからまた
繋がっていく出会いがあるのかも。
ほぼ、アテガキと思われるので、それぞれの役者の個性にフィットしているというのは
役作り以前にアドバンテージがあると思うけれど、
ありきたりな言葉しか思い浮かびませんが、ホント、
「適材適所」で、どこもかしこも埋められていて説得力のある配役。
そして、笹原さんが居て下さることで、歌舞伎組だけでは
埋めきれないスペースが補われている。
つづく
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