ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
★歌舞伎・スーパー歌舞伎・その他の舞台★

極付 森の石松 観劇記 2

2008-10-19 23:03:02 | その他の演劇
2008年10月19日(日) シアター1010

公演詳細はこちら

森の石松:市川右近
都鳥梅吉:貴水博之
おさわ:尾上紫
松太郎:津川祀武憙
小松村七五郎:山内としお
七五郎女房お民:藤田佳子
荒子の仙次郎:不動倭
仙次郎女房お島・おせい:ただのあつ子
清水次郎長:市川猿三郎
都鳥吉兵衛:市川猿四郎
都鳥一家伊賀蔵・次郎吉:市川弘太郎
小せん:市川笑也

三島の権助・吉原宿の善助:市川龍蔵
船客太郎助・久六子分甲太:市川喜猿
見受山兼太郎・三郎兵衛:市川喜之助
布橋の兼吉:市川猿若
保下田の久六・小みち:市川喜昇
都鳥常吉:市川笑三

乙七・兼太郎の子分:小野麦太
久六子分丙三・兼太郎の子分:竹内大気
久六子分丁次:京津慶次
茶屋娘おたね:神田真美
茶屋女おきよ:間辺ナヲ

今日は日曜日ということもあり、初日より客入りもよく
梅吉と石松の通路使いの唄では手拍子も起こり
(何気に貴水さんが煽ってましたが)
演者と観客が親和する、良い雰囲気でした。

それにしても、日曜日に昼一回公演勿体無い。
平日は無職の人しか来れない開演時間(14時とか)
(いえ、勤務時間は多様でしょうから一概には言えないけど
大多数という意味では、9to5が平均と思うので)
私は面白い舞台と思うのだけど、結構、今回集客厳しいのは
客層をどこにターゲット置いてるのか不思議な開演時間の設定もあるような…
8日間全10回公演のうち、平日
カタギの勤め人が来れそうな18時半開演は3回のみ。

【10月20日追記】

一番、残念だったのは、ヒロさんのソロのところで
音響トラブル?最初、なにか効果音を足したのか?とか
思ったけれど(何か雷鳴のような音が入ったり、かなりのノイズ)
明らかにトラブルのようですね。歌の邪魔になっていたもん。
90年代の日本の音楽シーンまったく分からないので
ACCESSというユニットで、どういう音楽を創り、
どんな歌声を聞かせていた方なのか、個人的にまったく不明ですが、
綺麗なハイトーンを響かせていらっしゃいます。
三十半ばくらい?かなと思っていたけれど、
プロフィールよく読むと、アラフォー世代(笑)
いえ、素敵です。
(同様に、ヒロさんファンは、右近・笑也はじめ
おもだかの役者さんのこと、まったく知りませんでした~!
という方も多数いらっしゃるのでしょうね。“貴水博之”もしくは
“森の石松”検索で、うっかり当ブログへ到達された方、是非、
おもだかの舞台へもどうぞ\(^o^)来年3月新橋演舞場での芝居は
大掛かりな舞台機構もあり、エンタメの真髄ですよ~!!
私は『動物園物語』はチケット取っていたにも関わらず、
当日、観劇日であることをすっかり失念、見逃してしまったので
今回、貴水さんのお芝居初見)

大劇場での作品に比べると、こぢんまりした小品ではあるけれど
脚本がよく出来ているのと、役者さんの頑張りで
見ごたえのある満足度の高いお芝居。
猿三郎さんの次郎長にもギャグがあるのはビックリでしたが
優しい雰囲気の親分ですね。
猿四郎さんも、相変らず悪人が似合ってます(褒めてる)
今回、笑三さんにしてもそうですが、愛嬌を出す部分に苦心したかな、と。
スーパー歌舞伎等では、殆どそういう造形はないし、
古典歌舞伎の中では、おもだかは、あまり世話物っぽい芝居もなかったし。
あっても、若手は、なかなかその場で自分がピンポイントとなって
笑い担うこともなかったので、そういうあたり注目しながら観てました。
猿四郎さん、ヒロさんが上がり口で他の人の履物をひっくり返してしまったとき
見逃さず「直しておけ」と突っこんだのもマル。
拾えるネタは拾っておこう~という心意気(なのか?)はイイですね。

布橋の兼吉と、都鳥兄弟が「手を組む」の幕前の場面は日替わりの
アドリブ?
19日は、笑三さんがヒロさんの物まねをしつつ捌けていきました。
(ヒロさんファンに受けてた模様~)

弘太郎くんの鼻血小僧(笑)、打ちのめされっぷりも楽しいし
喜猿さんの船客、石松との掛け合いも明瞭で良かった。
喜之助さんの身請山兼太郎は、私は16日の間の方が好み。
見舞いの金を出さないと返答するところね。
ちょっとあのあたりテンポが上がってしまっていて
ここは、多少間をとって、つれない(笑)返事をする方が良いな~。
関西弁のイントネーションでの台詞廻し大変そうですが
ネイティブでない私には、らしさ、が感じられてオッケー。

今日、おもだかニュース(猿之助さんの後援会の会報)が届いて
その中に、「渡世の酸いも甘いもかみ分けて、なお優しさに満ちた女性」
と笑也さん演じる、小せん(おゆう)について触れられていたけれど
まったくその通りと同感。
舞台写真も掲載されていて、モノクロでしたが、
その儚いような優しさが伝わる良い写真でした。
笑也さんって役に入っていないときは、割と地のままなので(笑)
チラシとかプログラムの写真はイマイチなんですよね~(贔屓の本音)
「舞台写真」となると良いのだけど。

オグリ初演の頃の硬質的な美貌も素敵でしたが、
自身も、年齢を重ね(たぶん)酸いも甘いもかみ分けてきたであろう現在の、
陰影のある美しさ、色気、そそられます。
薄幸そう、そして、象徴的な役は、似合い過ぎです。

右近さんも、溌剌と舞台を牽引。
右近さんの素晴らしいところは、常にテンションが一定しているところ。
長期公演の時でもそうで、いつも、ホント、感心!!
というか、この舞台、右近演出!?と思うほど、歌舞伎テイスト満載なのですが。

カーテンコールも、皆、役のままで面白い。

リピートしても飽きない舞台!!
というか更にリピートしたいが、もう予定が入りません。残念
この先観る予定のある方は、是非報告お願いします!!

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