ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
★歌舞伎・スーパー歌舞伎・その他の舞台★

新・水滸伝 初日観劇 2

2008-08-19 23:09:34 | その他の演劇
新・水滸伝のパンフレットの横内さんのコメントを読んでいて
初めて(?)意見の一致を見た(笑)

>当初は、久々に21世紀歌舞伎組の公演をするにあたって
>新鋭の演出家など招いてシェイクスピアの翻案劇をやろうという話しだったが
>水滸伝をやることになり、そのテーマが、今までのスーパー歌舞伎でも
>さんざんやり尽くしてきたものではないかと思った、
とのくだり。

出来れば、私もシェイクスピアの方を観たかった気もしないでもないですが(笑)
(りゅーとぴあシリーズ出た役者さんはずいぶん鍛えられたと思うし、
台詞術の妙の習得、そして若手の鍛錬という意味では、戯曲にブレがなく
どんな演出にもほとんど耐えうる底力を持つシェイクスピア劇は
役者の技量にも左右されることなく―技量自体は露呈するが―
芝居としては持つんじゃないかな~と、小生意気にも思ったりしてます。
シェイクスピア歴浅いのに(^_^;)>自分)

そして、私も『新・水滸伝』と聴いた時、また、三国志の遺産使いまわし?
とか思ってしまったけれど、下記の投稿でも書いたように、
これだけ臆面もない直球コース投げ続けられるのも、
逆に、凄いのかもしれないと思うに至り…。
創造者って(たぶん)変化球も投げたくなったりとか、
カッコつけたくなるじゃない?
(「創造者」ってひと括り、勝手に普遍しないでよ~とのお叱りは甘受・笑)
自分は、もっと洗練されてるよ、先鋭だよって言いたくなるじゃない?
『新・三国志』がパート2、3と続いたときも、ちと疑問もあったのだけれど
(いえ、2も凄く好きですけどね)
一貫して同じテーマを発信し続けられるって、ある意味、真理/神理かも。
昨日、観客を見送る猿之助さんの翳りのない穏やかな笑顔は、
凄く癒しに満ちていた。

しかし、メッセージの洪水・台詞は、もうちょっと整理されてもいいよな~
と思う部分があるのも事実。
特に、ここのところ、ミュージカルを見る(聴く)ようになり、
どうしても日本語だと原詩より、少ない文字数で意味/歌詞を伝える必要から、
メロディ(音符)の制約のある中、研ぎ澄まされた言葉が選ばれているのを
見聞きしているので、説明的な長い台詞と遭遇すると、
もう少し、すっきりとした良い語彙、云い回しを
選択できないのかな~と思ってしまう。

でも、ヤマタケの感想があっさりで終わっているのに(笑)
今回、連日、感想書いているのは、何か強く引っかかるところがあるのでしょう。
良くも悪くも。(“悪く”?>自分・笑)
いいのだ~褒め殺しはしないんだもん。一生懸命観てるから(自負)

猿之助さん、ここのところ絵を描いてらっしゃるせいか
後半、動いてゆく舞台面、色彩がどこか絵画的。

つづく…かも。

新・水滸伝 初日観劇

2008-08-19 00:25:41 | その他の演劇
2008年8月18日(月) ル・テアトル銀座 18:30

詳細はこちら

公演情報

ネタバレですよん。

幕開け既視感ありまくりな(笑)道具立てだったけど
モンゴル草原より広いや~~ん!(爆)と思ってしまった奥行き。
↑↑今年1月『ジンギスカン』当社比。
1月のジンギスカンは、ちゃんと猿之助さんがルテ銀用に
本当に仕立て直し演出したのかなぁ?
松平健さんに当てた演出を、劇場も(主役の)役者のニンも力量も違うのに
そのまま持ってきちゃった?という印象だったけど…
「猿之助演出」というネームバリューが欲しかっただけのような。
というワケで先日、友人に言われるまですっかり忘れていたジンギスカンでした。
(あ、たぶん、感想も書きかけ(^_^;))

ま、ジンギスカンはさておき、新・水滸伝!
猿之助さんの大好きな(笑)階段使いベース。
牢のところが一番効果的で面白かった。SEがいかにも地下牢。
てか、半水牢?
前半、ほとんど道具の展開はないのだけど、
後半、クライマックスにかけてからが綺麗!!
猿之助さんの面目躍如!舞台サイズにあった意匠です。
照明も良い!!

お芝居自体は、今日初日で、
とにかく纏め上げようという気分が強かったのか、
緩急に乏しくあまり、登場人物に感情移入出来ず…。
平坦という事でもないのだが。
「急」「急」「急」って感じかな?
台詞で感情の推移を“説明”しているから(少なくとも私にはそう感じられた)
ちょっと俯瞰して観てしまった。
人物の心理を耳で聴くのではなく心で聴きたい。
結構大事なところで、噛み噛みしてる人も多し。
そのあたり、こちらまで、ドキドキしてしまったので、更に、入り込めず。
もう何日か演じていくうちに役が入っていくでしょうか。
でも、全体的に台詞の技術はアップ
中日の雪之丞頃より全然良いと思います!
喜昇くんと喜太郎くんのおばちゃん(?)コンビ良かったですよ~!

春猿さん、笑三郎さん、笑也さんは、それぞれニンにありまくりで
卑怯ですね(笑)
猿弥さんが、いちばん、可能な範囲で間を取っていたように思うけれど
もうちょっと周囲も緩急の余裕出来て、間合いを取れるようになれば
もっと、笑いが取れ、また、もっとしみじみ出来ると思う。
猿弥さん演じるところの王英と笑也さんの青華、
ラブコメ(コメディ?)、もとい、ラブロマンス担当。
満点の星空、流れ星キラリ~ンな演出。
もう、可愛い過ぎます。これも好きね、猿之助さん。ロマンチストだから(!)

右近さん@林沖は、芝居が演舞場のスケール。
小さくまとめる必要はもちろんないけど、客席と感情を交歓するには
少し工夫が必要かもしれない。
彼の過去及び現況に纏わるストーリーは、
実際の舞台上では描かれておらず
(ああだったこうだった、と“解説”されるだけ。妻の死も含め)
難しい役どころではある。
ラストの衣装が、蜀軍(笑)っぽい。

音楽は、加藤さんどこにしまって置いたの?(笑)なフレーズ多少散見。
もしかして、あまりお金かけないでやるのかな~と思っていた(失礼)
のだけど、衣装も新調で良かった~~!!

『新・三国志』という鉱脈を当てたがゆえに
『新・水滸伝』と聞いた時に、『ミニ三国志』だったらヤだな~とも
思っていたが―まあ、中国モノだし、免れない部分もあるけれど―
臆面のない台詞を臆面もなく堂々とメッセージする、
ハイ、「らしい」芝居に仕上がってます。
原点回帰、というか原点忠実?

本日は、猿之助さんもご来場。
客席最後方でご覧になってました。
初日打ち上げがあったようで、上階ロビーから
下の物販コーナーにいる観客を、
手を振りながら見送ってくださり
その笑顔と、体調の良さそうなお姿に大感激!!
まさしく、市川猿之助の創る世界との邂逅、の日でした。

日替わりでメインキャストとのツーショット撮影が
1000円であり(当日先着20名くらいだったかな?)
本日初日は右近さん、明日19日は笑也さん。
あとは劇場に問い合わせてみてください。
プログラム1500円、出演者のサイン入り団扇1000円
猿之助さんの書3000円など、物販も充実してます。
「泥棒市」らしい(笑)

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