ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
★歌舞伎・スーパー歌舞伎・その他の舞台★

ヤマトタケル最高!

2008-05-25 21:54:13 | ヤマトタケル
ヤマトタケル初観劇の方からの感想を頂きました。
友人の同僚の方の感想です。なるべく原文を損なわないように
劇場からリアルタイムに届いた言葉も伝えたいので
(友人の)携帯へ届いた文面、終演後の感想など混在のままアップ致しますね。

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『ヤマトタケル最高!』

こんばんは!yayaさん、ご無沙汰しています。
私が演舞場、博多座と遠征し、そして地元大阪の松竹座で
4回観劇したのを知っている同僚、25歳女子が
「私もどんなんか、スーパー歌舞伎観てみたいです!」と突然言い出したので、
3等席だったら全体も見えるし、今からだと一等席はいい席がないからと
ネットで早速手配してあげると、23日夜の部、仕事を早退して観に行きました。

彼女はもちろん歌舞伎もスーパー歌舞伎も全く観たこともなく、
劇団新感線の舞台は私が引きずり込んだみたいですが(苦笑)、
観にいくようになったところ。
歌舞伎の言葉も知らないけど、素直に観たまま
感じたままがいいかなと思い、
芝居に関しては予備知識は与えずに送り出しました。
私の歌舞伎初観劇は1998年松竹座のスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」
それまでは、生の舞台のお芝居も観たことがなかったので、
幕間がどれぐらいとか何も知らずに観に行ったため、
緊張して舞台に集中できなかった経験から、
幕間の時間と食事のことだけは教え、オペラグラスを持たせて、
「職場はまかしとき!」って送り出したんです。

第一幕が終わった幕間にいきなりきましたぁ
「ヤマトタケル、最高、最高、最高、最高です!
無茶苦茶いい席ですし、オペラグラスのお陰で、
ヤマトタケルのあの汗をリアルに観ることができました!
背中を刺される赤い顔の喜猿さんよすぎです!!
もう一回来たいぐらいですってか、まだ終わってないのに。
隣のおばさんが、サイン入りのパンフレットで
説明してくれている最中でございます・・・。ひぃー、ひぃーっ!」
と意味不明な擬音語までつく興奮がリアルに伝わるメール到着!

第二幕終了後、「最後の休憩中です!」とまたまたメール。

「私は本当に幸せ者です。教えていただくもの全てが初めて観る体感するもので、
感動感激まで。いいものはどの舞台でも本当によいですね。
この長時間これをこなすのは体力勝負なのがわかりました。
ただ座って観劇しているだけの私がそんな風に思うんですから役者さんは
すごいです。迫力満点でした。」と当日のメールはここまで。

翌日研修で一緒だったので興奮冷めやらぬ
様子で「よかったです~」と言ってました。
それから今日もメールが着ました。

「手放すなと言われた剣を持って、
怖いもの知らずで堂々と立ち向かっていくヤマトタケル。
でも、最後の命が燃え尽きる寸前まで、ヤマトタケルの心、
『故郷の大和に帰りたい、早く父のもとに帰りたい』と
実の親の愛を求める姿に心うたれました。
場面転換のよさ、メリハリある照明にカンカンという音(←ツケの響きですね)
舞台が真っ暗になりスポットライトがあたるところは
ハラハラドキドキしながら拍手をおっくり続けました。」

そうですよね、この素直な表現。
見得を切る瞬間。一瞬の静寂は、観る者をぐっと引きつける、
そして大きなツケの音とともに役者が見得を切る、
それは歌舞伎を初めて観る者にとっては、全く初めての演出。

彼女の息をのむ姿が目に浮かびます。

そして、つづけてメールにはこうありました。

「拍手のタイミングは周りの雰囲気にあわしただけで、
まだ間がつかめていないのですが。
第3幕の伊吹山の恐ろしい鬼のような顔の神や衣装には目を奪われました。
オペラグラスで細部は見れたのですが、3階からでも華やかさはわかり、
衣装にあれだけ凝っているのも見所でした。
伊吹山の神々を退治して大和に帰る!
大和に帰りたい、羽がほしい、いっそ鳥になって
大和へ飛んで帰りたい。羽があればいいのに・・・というセリフには、
いつの時代にも親の愛を求める気持ちは伝わってきます。
他の観客も驚いていましたが、役者さんの宙返りや
器械体操並みの動きにはただただ驚きの連続です。
右近さんだけでなく素晴らしい大勢の役者さんが
出演していて本当に見応えがありました。」

こんな感想を寄せてくれましたが、
私が98年にヤマトタケルを観た時は、
「兄橘姫の笑也さんがきれいやなあ」という印象が残ったものの、
「天翔ける心」どころかよくわからないままに観終わった私は、
感性が鈍かったなあと今思い返せばお恥ずかしい限りで、
新鮮な感動を素直に伝えてくれて、ありがとうって本当に思いましたよ。

歌舞伎の用語を知らなくても、中国から参加している
役者さんがいることを知らなくても、舞台からたくさんの感動を受けた、
そして興奮して感激した様子は、贔屓としても本当に嬉しいし
一人でも多くの人に観てもらいたいです。

22年前に作られた作品だけれども、普遍的な命題にも、
作品を流れる一貫した哲学も。
舞台の演出の素晴らしさも、大胆かつ豪快で豪華な衣装も、
とてもよくできた作品ということを再認識しました。

松竹座の千穐楽ももうすぐ。いよいよ4か月のロングラン
公演も最後の中日劇場へと移ります。

松竹座でマイ楽だった私は、もう一回観たい
いや筋書きにもあった猿之助さんが「ヤマトタケル完全版」と書かれていた
「ヤマトタケル」を観に出かけようかと、
彼女の感想を読みながら思っているところです。

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いや~私も、こんな素敵な感想を頂いて、メチャクチャ嬉しいです。
長く観ていると、どうしても、ああじゃらこうじゃら能書き付きな
感想になってしまったり、今、目の前の舞台ではなく、
過去の舞台と比較してしまったり。(←まあ、そういう楽しみ方もあるのですが)
でも、今期ヤマタケ、MY初日@演舞場
私もあらためて、なんて良く出来ている舞台なんだろう~って、
ある種新鮮な感動もあったから、その、ハァ~~っと心捕らわれる気持ちも
心から理解出来ます。松竹座もいよいよ楽ですね。
名古屋遠征まで、あと一ヶ月余。じっくりと待つことにします。
(あ、チケットは先日到着)

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