ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
★歌舞伎・スーパー歌舞伎・その他の舞台★

愛、時をこえて 関ヶ原異聞

2007-09-20 01:21:04 | その他の演劇
2007年9月19日 シアター1010 1階S席

出雲お国・ドラキュラ:貴城けい
石田光成:市川段治郎
高山右近:吉野圭吾
細川ガラシャ:華城季帆
細川忠興:市川笑也

徳川家康:横澤祐一
鬼   丸:曾我廼家寛太郎
服部半蔵:大藏基誠 (東京公演のみの出演)
島 左近:藤本 隆宏 直江兼続:市川猿四郎
お国一座・小春:坂本法子
信徒・マルゲリータ:ANZA

市川笑野 市川猿琉 市川猿治郎 笹木重人
大坊健太 藤部昌嗣 小森 薫 小野麦太
山本祐子 佐藤愛美 浪江路子 三輪 環


【スタッフ】

作・演出:岡本さとる
音   楽:加藤和彦
衣裳スーパーバイザー:ホリ・ヒロシ

美   術:前田 剛
照   明:柏倉淳一
音   響:奥山茂之
振   付:小井戸秀宅
立   師:市川猿四郎
プロダクションマネージャー:小林清孝
制   作:岡本多鶴 佐野仁志

【あらすじ】

絶大なる権力者、太閤豊臣秀吉がこの世を去った。
絢襴たる安土桃山時代の御世も、
次代を窺う権力者達によって激動の時代を迎えていた。
そんな折―――――難破した南蛮船から、
楔が突き立てられた忌まわしき棺がこの国にたどり着いた。
その棺こそ、かつて西洋の国を震撼させた
吸血鬼ドラキュラが封印されしもの。
「この封印を解き我を復活させし者。汝の夢を叶えん…」
ドラキュラの怨念がこもるその棺の封印を解いたのは――――
秀吉の意思を継ぎ、
この国を世界の全ての冨が集まる夢の国にせんと企む石田光成であった。
復活したドラキュラは、政敵・徳川家康との戦いに光成が勝利すべく暗躍し、
昼間は謎の芸人・出雲お国と姿を変え、その邪悪な妖気をふりまく……。
しかし、ドラキュラは自分の妖気を萎えさせる純白の祈りに心が揺らぐ。
その祈りの主は薄幸の美聖女・細川ガラシャであった。
天下分け目の関ヶ原の戦いは今しも始まろうとしていた。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * *

すでに観劇のコたちから、「宝塚だよ~!!」と言われていたのですが
特に、これ全編宝塚!って感じでもなくて
私的には、スーパー歌舞伎リミックスな印象。
音楽、加藤さんで(ヤマタケで使わなかったとこ転用してない?・笑)
猿四郎さんが殺陣つけてるし、科白廻しもスーパーっぽいとこあるし、
ある部分、直美さんとの狸御殿も思い出したり。
(あ、世田パブのOKUNIとか)

宝塚も歌舞伎も「様式美」を魅せるところは
通底するモノがあるような気がする。
なので、あんまり異種格闘技とも思わなかったし
齟齬も感じなかった。

ここ2年、歌舞伎以外の舞台を観るようになって、
特にミュージカルはヅカOGの方もよく出演されているし、
自分の感覚が他分野コラボに慣れていたのもあると思う。
NARUTOとか新感線とかも、お陰さまで(笑)観させて頂いたし、
人間じゃないヒト?出てきてもいいです。
つか、歌舞伎自体も「異形」はお得意だし
“ドラキュラ”オッケーです。
でも、バリバリ武士の出で立ちの段ちゃんら歌舞伎チームが
「ドラキュラ!」とか叫んでいるのは、妙にツボリましたが。


貴城さん、格好良いですね。
所作も綺麗で「男役」としての振る舞いはもとより
和モノ風味の踊りの振付の手もきっちりしていました。さすが!
華城さんは、声が素敵過ぎた。
特に、私の好きな系統の教会音楽っぽいソロは聞惚れました。
この二人の絡みは(ヅカの本興行観たことないけど!)
たぶん、完全ヅカ様式。ヅカファンへのサービスシーン!
そして、ヅカファンの方ってどこでお見かけしても
統制が取れてるな~と感心するのですが、
拍手のタイミングも、ばっちり揃ってて、あらためてビックリ!
登退場のポイントでズレなく、延びすぎることなく
もの凄いきっちり拍手、入ってた。

歌舞伎チームでは、
段ちゃんが、やっぱり見栄えよくて、
華やかな貴城さんと対峙しても遜色なく、お芝居も安定していた。
笑也さんは、立役が板についてきたけれど、
結構目立つ感じで科白を噛んでしまったところが複数箇所あり
大坂、名古屋と廻ってきているのに、どうした~?
単に口がすべったというより、固有名詞間違えとかは、
いかんぞ!と。贔屓ゆえ、厳しいですよ(笑)
忠興の造形については、そんなに嫌な人物とはなっていない。
彼の妻へのあり方は、ひとりの男のごく当たり前の感情だと思える。

ミュージカルチーム代表?の
吉野圭吾さんと、ANZAちゃんは、大詰め持っていきます。
ラストのANZAちゃんの歌もいい。

それぞれの分野の方がバランスよく(と言ってもメインは貴城さん!)
見所出せるようになっていたと思う。
正直、ストーリーは彼らを魅せるための要素のひとつで
そんなに重要ではない(私見!)

曾我廼家さん率いる、お笑い担当チームも、
間の良い芝居をしていて、十分面白かった。

道具の転換、照明も悪くないです。
(幕前芝居のあたり、モロ、プチスーパー!)
ですが、(市長!は芝居違い)
物語や芝居としてのカタルシスはないです。
カタルシスは(贔屓の)役者さんそのものに求めて下さい!
って感じかな?

続く(かも)

あ、寝る前に続き!!
そうそう、カテコの人物配置よく出来てました!!
特に、一番最初。ここ、冴えてましたね~!!

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