ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
★歌舞伎・スーパー歌舞伎・その他の舞台★

Dのゲキジョー~運命のジャッジ~市川春猿

2006-09-08 20:40:03 | 歌舞伎
≪9月10日追記≫

9月8日(金) フジテレビ 19:00~19:57 番組の公式サイト

出演 / 市川春猿 坂東玉三郎 みのもんた…←と、番組表にあるのだけど
玉三郎さんはスタジオ出演ではないので~ってことを踏まえると
「市川段治郎」も含んでよいのでは?(笑)

【番組コンセプト】

歌舞伎界の新進気鋭の女形、市川春猿を迎える。
歌舞伎とは無関係な家柄に生まれた春猿は17歳で市川猿之助のもとに入門。
わずか2カ月で大役に抜てきされ、
歌舞伎座興行の看板俳優にまで上り詰めた彼の素顔とその舞台裏に密着する。
また、春猿が学んだ歌舞伎俳優の養成所を取材し、
日本最高峰の伝統芸能伝承の学校の様子を公開する。

     *     *     *     *     *

ここのところ、深夜帰宅が続いていたけれど、本日、奇跡的に?
17時までの勤務(それでも1時間残業^^;)
帰宅した時には、番組冒頭始まってはいたけど、ほぼ見逃すことなく
(なにせ録画機器破損したままなので…)
見ることが出来ました~!放映のお知らせを下さったKさん、ありがとう。
(新聞も取ってないし、ふだんテレビ見ないし(~_~;))

舞台映像出るだろうとは思ってたけれど、
まさか天竺まで観られるとは想定外。
そして、思いがけず沢山の舞台の映像が出て嬉しかったな~。

最近、歌舞伎にときめかないなぁ~なんて思っていたけれど
猿之助さんの姿を観てあのワクワク感が甦り、そうそう、
歌舞伎の舞台大好きだったのだー!!と。
春猿さんも語っていた「歌舞伎座の匂い」
あ~分かる分かる!って感じ。芝居が始まる前から、
あの、歌舞伎座独特の空気感が高揚させてくれる。

で、また、一階、二階、三階とそれぞれ「匂い」が異なるのよね(笑)

三階のカレー屋さんの匂いを嗅ぐと
「いよいよ次は宙乗りだわ!」なんて
「お出迎え席」に座る時のドキドキ感が甦ったり。

玉三郎さんの含蓄のあるコメント、しみじみ拝聴。
―猿之助さんの軌跡、そして「なれると思う」の一言に込められた、
玉三郎さんご自身の芸道への想い。

時間帯からか、ちょっと軽くウケを狙ったような、
コーナータイトルもあったりしたけれど、
そんなに奇を衒った風でもなく、春猿さんについて、
そして歌舞伎(座)の事を、分かりやすく伝えていて
なかなか良い構成でした

【追記】放映されていない地域もあったとのことで、記憶の範囲で追記~

春猿さんの誕生時~幼児期~青年期、研修所時代までの写真も公開。
赤ちゃんの時から綺麗なお顔立ちです。お兄様もモデルをなさって
いたそうですから、美形のご家族なんでしょうね~。
再現フィルム(笑)で、春猿さんの生い立ちを紹介。
フツーに元気な男のコだったけれど、ただひとつ、異なっていたのは
(5才頃の再現映像)公園で遊んでいても、
歌舞伎・邦楽番組(芸能花舞台とかかな?)が始まるからウチに帰るね~と
たったか帰り、テレビの前に鎮座していたこと。

そして、ある日、お祖母さまにねだって、歌舞伎座へ連れて行ってもらう。
その時に、「歌舞伎座の匂い」を体感したのだそうです。
客席のマダムがつけていたのであろう、香水の匂いも含め。

以来、家では、六方など、歌舞伎の「型」の練習(笑)
(確かにかなり珍しい子供かも…)
中学生になると、ちょっと粋がった(?)少年になるけれど
「遊びに行かねぇ?」と誘われても、時には「今日歌舞伎座だから」
と断って、劇場へ足を向けることも。
そして、13才の時に、猿之助さんの「天竺徳兵衛」を観て衝撃を受け
「この人の弟子になりたい」と思うに至ったのだそうです。
中学3年になり、進路を考えなければいけない時期に差しかかり
三者面談の席で「進学しません。歌舞伎俳優になります。」と宣言する春猿さん。

「ああいうのは、もともと歌舞伎の家に生まれなければなれないんだぞ」
と教師にも親にも諭され、それでも、意志を貫く決意で、
なんとか、歌舞伎俳優になれる道はないかと調べまくり
国立の養成所という門戸があることを発見。

それでも、お母様に「高校に受かったら」という条件を出され
猛勉強開始し、無事高校にも合格。そして、入学から1ヶ月で退学届けを提出。
この段階では、まだ養成所へ入所出来るという保証はなかったけれど
自分の信念に基づいての行為だったのでしょうね~。
(でも、これだけ強く求めている人を、天は見放さないだろう←大げさ?
と思うくらいの熱意で、これが春猿さんであろうとなかろうと、
これだけの“思い”は絶対成就されるだろう、というくらいの勢い!!)

春猿さんを教えてらした先生のコメントにも
18才、20才で入ってくる生徒が多い中、15才と一番年若く、
でも、負けん気の強いきかん坊(笑)みたいなお言葉がありましたね。

養成所での修行を終えて、猿之助さんのところへ
「弟子にして下さい」と入門願いにお伺いするシーンがあり、
「ウチに春猿っていう名前があるんだけど」と伝えられ
家に帰って、なんども「春猿」という文字を書いた~というのも
微笑ましいエピソード(でも、この入門の経緯までは、ちょっと
端折って作られている?一般視聴者に分かりやすいように。
たぶん、多少異なると思います。)

その後、新弟子誰もが通る多忙な様子も描かれたりしていましたが、
入門二ヶ月目で、伊吹山のヤマトタケルで兄姫に抜擢されるという
幸スタートから、浮世風呂のなめくじ、オオクニヌシのスセリヒメ
今年七月歌舞伎座「夜叉が池」など抜擢の軌跡が紹介されるという構成。

放映の時間帯・視聴者層に合わせ、分かりやすくコンパクトに纏まって
ワリとよく出来ていたと思います。
ま、基本、ドキュメンタリーではなく、バラエティ番組なので、
ゲストのツッコミに、春猿さんも場の雰囲気を崩さないよう
ちょっと盛り上げ的な回答をされて、
それが、たぶん春猿さんの公式サイトのBBSに書かれていた
「事実とは異なる」掲載の件だと思われますが…

天竺、ヤマトタケル、三国志など猿之助さんの映像などもあり
思いがけないプレゼントでした。

玉三郎さんも、春猿さんへのコメントだけでなく、
猿之助さんは、凝縮された時間の中で
本当に多彩な仕事をされた、と仰ってました。

揶揄され続けてきた「猿之助歌舞伎」だったけれど
11月、成田屋さんが宙乗りを含め「澤瀉屋型」の四の切をされる
という事も含み、猿之助さんが歌舞伎界に撒いた種子は
ここ数年、様々な舞台で発芽・開花しつつあるのだな~と思います。

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