燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医徳田安春の最新医学情報集。問診、フィジカル、医療安全、EBM、臨床研究に強くなれます。

沖縄西海岸 連載 その9

2014-01-07 | 症例集

 前回からの薬のリスクについて考えていきましょう。

 例12 38歳女性。 主訴:意識障害。   不眠症にて通院している。 それ以外には特に既往はない。 自宅で倒れていたところを家族が発見し、救急車にて搬送される。

 血圧110/70mmHg、心拍数60bpm、呼吸数14回/分、体温36,7度、JCS300で深昏睡、瞳孔は左右ともに3mmで不同はない。 神経症状、心電図に異常はみられなかった。

 意識障害の鑑別で重要なのは病歴と身体所見である。 収縮期血圧が130mmHg未満であれば、中枢神経系の病気よりは、メタボリックが原因であることが多い。 この患者の場合、意識障害があるにもかかわらず、瞳孔に異常がなく脳幹の反射が保たれているので、中枢神経の疾患というより全身的な代謝性の疾患が考えられる。

 そこで考えられる原因薬剤がベンゾジアゼピン系の過剰摂取である。 この患者に対しては薬物過剰摂取を疑い、家族に調べて頂いたところ、空の薬の袋がたくさん見つかった。 ベンゾジアゼピン系の薬物過剰摂取の場合、呼吸管理を行えば、ほとんど軽快する。

 昏睡状態の患者を診た場合には、中枢神経性か代謝性なのかということの鑑別が大切である。 中枢神経性であれば血圧が上昇し、脳幹機能が異常になることが多い。 代謝性の場合は血圧が正常、または低下する傾向にある。

 

       

 写真は沖縄本島北部の恩納村の海岸です、遠くにジェットスキーしているのが見えます、そのはるか後方にはあの名護市の市街地がかすかに見えてます、海も空も青くてきれいです。 砂浜に木の影がいいです。

 では、次回に。

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