燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医Dr徳田安春の最新医学情報集

講座 呼吸器臨床のコツ4

2015-02-16 | 講演会

前回に続きます

6 肺炎

 肺の炎症性疾患の総称で、一般的には肺の急性感染症を指す。細菌、マイコプラズマ、ウイルス、真菌、寄生虫などが原因となる。発熱、咳、痰、呼吸困難、全身倦怠感、胸痛などを来す。高齢者や基礎疾患を有する患者で死亡率が高く、悪性新生物、心疾患、脳血管疾患に次いで第4位である。男女とも60歳を超えた高年齢層で肺炎による死亡率が高く、総数では年間8万人が死亡している。重症度と頻度から最も重要な細菌である肺炎球菌のハイリスク者に対しては予防接種が勧められている。また、高齢者においてはインフルエンザ罹患者の4人に1人が肺炎を発症するというデータもあり、これらの観点からもインフルエンザの予防が重要といえる。

7 間質性肺疾患

 肺の間質組織を主座とした炎症を来す疾患の総称で、進行して炎症組織が線維化したものを肺線維症と呼ぶ。間質性肺炎のうち特発性間質性肺炎は特定疾患に指定されている。病理所見では、硝子膜形成、Ⅱ型肺胞上皮細胞の腫大・増生、肺胞壁への炎症細胞浸潤がみられ、末期には蜂窩肺にいたる。特発性間質性肺炎は、病理学的に2002年の ATS(American Thoracic Society)/ERS (European Respiratory Society) の分類が用いられ、7つに分類できる。

 わが国における特発性間質性肺炎の正確な罹患率は不明であるが、人口10万人当たり20人程度と推定されている。労作時呼吸困難などの自覚症状がない状態の患者数はさらに10倍程度存在することが推定される。性別では男性に多く、発症は通常50歳以降である。

8 気管支拡張症

 気管支壁が障害を受けて、気道の一部が拡張したまま元に戻らない状態。気管支壁が直接的に障害されたり、正常な防御機構が間接的に障害されたりなど、様々な問題によって生じる。最も多い原因は重症の呼吸器感染症である。免疫不全や嚢胞性線維症などの先天性疾患、異物や肺腫瘍などによる気管支閉塞といった物理的要因などによって、気管支拡張症を起こすような感染症が発症しやすくなる。

 今回は以上です、話変わって、錦織選手やりましたね、アメリカはメンフィスオープンの三連覇、あっぱれですね、この勢いで四大大会を戦い抜いてほしいですね、また楽しみが増えましたね、では次回に。

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