燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医Dr徳田安春の最新医学情報集

講座 呼吸器臨床のコツ5

2015-02-19 | 講演会

 前回の続きで、高い頻度の疾患の残り2個です

9 塵肺

 粉塵や微粒子を長期間吸引し、肺の組織にそれらが蓄積することによって起こる肺疾患。じん肺法(1960年)では、「粉塵を吸入する事によって肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病」と定義され、咳、痰、呼吸困難、動悸を起こす。原因となる粉塵には、ケイ酸、金属粉、石綿(アスベスト)、有機塵がある。職業性肺疾患とも呼ばれ、鉱山や炭鉱、陶磁器業、石切業、鋳物業、トンネル工事、アスベストを用いる建築や建造物の解体など粉塵の多い環境で従事する職業に多くみられる。

10 気胸

 胸部の外側から、あるいは肺自体から胸膜の穿孔を通って胸膜腔内に空気が入る疾患。胸腔内圧が上がるため肺容量が減少する。原発性自然気胸は、肺の基礎疾患が存在せず、背が高く痩せている10~20代の若い男性に多く発症する。喫煙や遺伝が原因であり、胸膜下肺尖部の胸膜下嚢胞または肺胞内嚢胞が自然に破裂することによると考えられている。続発性自然気胸は重度の慢性閉塞性肺疾患、PCP 、またはあらゆる肺の基礎疾患を有する患者において発症し、胸膜下嚢胞または肺胞内嚢胞の破裂に起因する。外傷性気胸は鈍的および穿孔性の胸部外傷の合併症として起こる。医原性気胸は胸腔穿刺や中心静脈カテーテル留置および心肺蘇生などにより引き起こされるものである。

Ⅱ 稀だが無視できない疾患

1 結核

 厚生労働省の年報などを見ると、70歳以上の高齢結核患者は新登録結核患者の半数に近づきつつあり、その割合は増加傾向にある。20歳代の新登録結核患者の約4人に1人は外国籍結核患者であり、同じく増加傾向にある。

 一方、死亡数でみると、第二次世界大戦前は、日本の人口10万人に対して200人前後と死亡原因の上位を占めていたが、大戦後、死亡数は減少し、人口10万人に対し、1955年は52人、1965年は23人、1975年は10人、1985年には3,9人になった。しかしながら、1990年頃から鈍化傾向となり、1995年は2,6人であった(死因順位で23位)。結核死亡者数の殆どが人口10万人に1人以下である欧米先進国に比べると、依然として高い水準にある。

 今回は以上です、話変わって、最近よくニュースなどで耳にする逆走、あれは危ないですね、お年寄りなどが高速道路の入り口を間違えて逆方向に入ってしまうというもの、高速道路ではないですが、自分も一般道路で目撃した事があります、幸い何事もなかったのですが、皆さんも気をつけて下さい、では次回に。

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