前回からの続きです。
代謝性アシドーシスの早期発見 Kussmaul呼吸は、糖尿病性ケトアシドーシスや尿毒症、敗血症などによる代謝性アシドーシスを代償するための規則的な深い呼吸が持続する状態である。 呼吸数が増加する前に深さが増加するので、深さのみの増大でもKussmaul呼吸と呼んでよい。
過換気発作との鑑別が問題となることがあるが、Kussmaul呼吸では、一時的に「息こらえ」が可能であるが、過換気発作では一般的に「息こらえ」は困難である。
Kussmaul呼吸を疑う場合には、かならず血液ガス分析を行う。 Kussmaul呼吸の原因鑑別に「呼気の香り」が役立つことがある。
・アセトン臭:糖尿病性ケトアシドーシス
・尿臭:尿毒症
・腐卵臭(腐った卵にニンニクをかけた臭いと表現される):肝性脳症(肝性口臭)
・嫌気臭:嫌気性菌感染症
肝性口臭の原因物質はアンモニアではなく、硫化メチル(dimethyl sulfide)である。
今回は短いですが、以上です、続きは次回に。