紘一郎雑記帳

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人の生き方 伝説の高畑誠一   紘一郎雑記張

2013-01-06 03:17:36 | Weblog

人の生き方 伝説の高畑誠一    
紘一郎雑記張

「これからはおれが一国一城の主なんだ。
世界を相手に暴れまわってやるぞと心の中で叫んだものだ」 
前号最終より

 こ言葉の通り高畑は世界を相手に超人的な活躍をする。
金融、産業などの経済問題はもちろん、国際政治の動き、天候にいたるまで情報収集を活字だけではなく、得意の英語力を活かし、各国大使館の大公使、軍人、モルガン、ロスチャイルド、グレンフェル、その他多くのマーチャントバンカー筋に直接会い第一級の情報を仕入れていく。
そしてこの情報収集の成果は第一次世界大戦が勃発した時に発揮された。

大正3年、第一次世界大戦前夜、英国人のほとんどは「欧州で戦争が始まっても、永続きしない」とみていた。
しかし高畑は欧州の世論、社会情勢のほか、情報収集を十分にした結果そうはならず戦争は長期化するとみた。

開戦になったら欧州での経済、とりわけ各国の物資の調達はどうなるかといった点も考えて戦争で値上りが予想される食糧や鋼材などの物資を一早く猛烈に買い付けた。買い占めた物資は予想通り暴騰した。
そしてその物資をヨーロッパ列強に売り付けたのだ。
大英帝国に売込んだ小麦粉は500万袋、満州小麦50万トンというケタ外れの取引を次々に成立させていった。 

この活躍が認められ高畑は29歳の若さでロンドン支店の支店長に就任する。そしてその時、ほとんど無名に近かった鈴木商店は三井物産を抜き売上げ日本一の商社になった。

この高畑が後に大手総合商社、双日(旧・日商岩井)の創業者となる男である。

相変らず、日本の経済は低迷している。
会社の経営、仕事が厳しいという人は多いだろう。
ついつい周りの人や、環境のせいにしたくなるところだが、それをしていても現状は何一つ変わらない。今こそ高畑のようなバイタリティをもって挑んでいきたいものである。

最後に米国の女流作家エラ・ウィルコックスの言葉を紹介して終わりたい。
「吹いている風がまったく同じでも、ある船は西へ行き、ある船は東へ行く。それは風のせいではなく、帆の張りかたが行く先を決めている。同じように私達の人生の航海でその行く末を決めるのは、周りの環境ではなく、私達の心の持ち方である」 この項終り