紘一郎雑記帳

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金融危機対応講演より 安田紘一郎雑記帳

2009-10-19 05:09:36 | Weblog
世界的経済危機について

講師は【ジェリー・ディコートニー・オデル氏】
【イギリス】の世界的金融会社
サンドール・インベストメント社代表





【金融危機原因・実状】

今日お話する事はここ数年におこった世界危機と
今後の資産運用についてお話いたします。

2007年に始まり今も続いている世界的経済危機は規模が
あまりにも大きい為適格に表現する言葉もなく、
過去の経済危機との比較もありません。

この危機はサブプライム問題が金融破綻の
原因だったと言うつもりはありません。

しかし発生した事象がもたらす影響といくつかの
重要な要素の組み合わせについては勘案すべきです。

欧米と日本では融資手順が大幅に異なります。
例えばローン審査を行う際に日本では借金のない人は
〝グットリスク〝ですが、欧米では反対の判断をします。

借金のない人より、借金がある人は「ベターリスク」と見なされるのです。
米国では「クレジットカード」の負債を全額返済する人は
「良い債務者」ではないのです。

2008年世界の経済成長は1946年以来初のマイナスに転じました。

世界有数の金融機関のいくつかは政府介入を受けていたり
アイデンティティーを失ったりしています。

欧米は20年来の高失業率を記録し多くの住宅・商業用不動産市場が
壊滅し、世界中の外国為替相場が大変動を起こしています。

驚愕する事実は、驚くほどの資金が投入されているのにも
かかわらず効果が殆どないことです。

先進国の殆どが2008年から2009年にかけて深刻な不況に陥りました。

それは銀行が基本的なリスク管理の原則を疎かにし、
監督機関や政府が注意を怠り問題を理解せず低金利の
大きな流れが無謀かつ過剰融資したことが原因です。

しかし現在は世界の経済活動は急落に反発しつつあると
議論をしても良いでしょう。

中には経済復興は、事態は最悪と言って、2000年代後半の
不況と世界大恐慌を比較する人もありますが、
2つには大きな違いがあります。

第1に世界大恐慌と今回の不況との間の80年間、経済哲学や政策決定、
各種ツールは、大幅な進化を遂げています。

第2に世界の証券市場は回復の途にあり、
1932年や1982年ほどに暴落していません。

第3に2009年3月現在におけるインフレ調整後の米国住宅価格は
1890年来の最高価格を維持しています。

第4に1930年代の不況は3年半以上も続き、
貨幣供給が25%も下落したが、主だった国の中央銀行が昨年おこなった
金融引き締めは自国の基準に合わせた”緩やかな”引き締めでした。

最後に現在の主要経済国における失業率および2008~9年の
上昇率は第2次大戦以降の各不況期と同程度で
世界恐慌時と比較すると圧倒的に軽微です。

もちろん”危機脱出”には至っていませんが
回復しつつある裏づけはいくつかあります。

たとえば銅や大豆、石油、コーヒー、砂糖など
多くの商品の物価が上昇しています。

石油価格は5月には5760円を超え、最高値を記録した2008年の
7月以降始めて「OPEC」が石油産出量を増やしました。

証券市場は新興市場が牽引役となり著しく改善しています。
しかし市場はまだまだ不安定なので深入りしてはいけません。

未公開株式は特権を有している,僅かな人間だけです。

ファミリーオフイスと年基金ー門戸の開かれた極めて利潤の高い
投資でしたが現在は多くの人にとって悪質な罠と化しました。

【資産運用】
金融低迷の渦中にある現在において、財産の保護と維持のカギは健全な
ポートフォリオにあります。

適切なポートフォリオ作成には、多様化、資産配分、相関関係、
リスク調整後業績評価指標、絶対的パフォーマンスvs相対的パフォーマンス、
長期的、短期的収益率などの投資概念を持つことが肝要です。


多様化ー市場の沈滞から投資を守る為に
多様化は長期的に見たときに効果がありますが、
ここ数ヶ月、その効果は限定的でした。
銀行預金以外はあらゆる種類の資産が影響を受けました。

しかし長期的には銀行預金はインフレに勝てませんし
退職後の備えにはならない可能性があります。

むしろ投資を続け、現在の資産をさまざまな種類のものに
分散させて行くべきです。

資産配分は市況の変化に合わせて変更できます。

今後の資産運用で大切な事は、そして資産多様化を図る最善の方法は、
公認ファイナンシャルアドバイザーや
金融のプロアドバイザーに相談することです。

今はそんな時代の中にあることを認識すべきでしょう!

次回にはいま少し具体的にお話させていただくことにします。

オデル氏講演会より


安田紘一郎雑記帳

世界経済も日本経済も、まだ危機を脱していません。
日本では「デフレ傾向」が強く過去の「デフレ」不況時より
深刻な気がします。

米国の「過剰消費構造」の破綻からの影響は、
回復にはまだまだ時間がかかるのでしょう。