ふぇみにすとの雑感

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教員組合づくりへの動き

2009-02-20 01:46:51 | 大学関係
私の大学は、州内の大学で唯一、教員組合がない大学だった。モンタナ州のへんな法律で、エンジニアは組合から除外されるといったものがあるらしく、基本的に理工系が強い総合大学という位置づけのこの大学では、組合運動が盛り上がりづらい素地があったのだろう。

しかし、州内の小中高校教員も、ほかの大学、短大教員も皆組合をもっているのに、この大学だけ抜け落ちていたことから、MEA-MFTという教員組合組織が組合づくりのために組織化をこの2年ほど行っていたらしい。
ついに、3月終わりか4月頃、組合をつくるかどうかの投票が行われるということだ。

昨日、組合づくりの経過情報を伝えるというフォーラムがあったので、行ってきた。現状と、具体的な投票やら、組合ができた場合どうなるかなどについての質疑応答的な内容だったが、それによれば、どうやら、常勤教員(テニュアトラック)用組合と、非常勤用組合と二つつくり、両方同時期に投票しようという流れらしい。非常勤と常勤に別組織をつくるのは、いい案かなという気がした。いっしょの組織になってしまったら、おそらく非常勤の声を反映しづらい団体になってしまう可能性が高そうだからだ。

プロ・ユニオンとは言いがたい雰囲気の大学および土地柄ではあれど、経済状況もきびしく、大学の経営も疑問符がつくこともふえていることから、今度の選挙で組合ができる可能性は高いかなあという気もするのだが、、果たしてどうなることか。

ところで、昨日のミーティングのときに会場から発言していた非常勤講師のひとが、「自分はミシガンの院生ユニオンでプレジデントをしていたが、、」と言っていた。私がいたよりはだいぶ前の時期のことだったんだろうと思うが、今度話しかけてみるかな。さすが、ミシガンの院生組合時代に慣れているだけあって、効果的な発言をしていた。プレジデントだと、大学アドミニストレーションとのバーゲニングなどにも参加していただろうし。私もあの時代に、大学側との交渉などに出たりしていたこともあって、今回のユニオンの投票システムについても、ユニオンができたらどうなるかなどについても、すんなり理解できる。あれは本当に勉強になったなと思う。

それにプラスして、ミシガンの院生組合のほうが、今のモンタナの教員組合への動きより何歩も先をいった状況だったと思う。どうしても、アメリカの高等教育現場の組合というのは白人主体になりがちなのだが、少なくともマイノリティや外国人により参加してもらうためには、、という議論がかなりなされていたから。ところが、昨日、70人ほどが出ていたと思われるミーティングの場で、見るからにマイノリティだったのは、私だけだった。(この大学ではたいていのミーティングでそういうことが多いのだが、ミーティングの類いにでるたびに思わずほかにマイノリティがいるかどうか確認する癖がついてしまった。)もちろん見かけが白人のようで実はマイノリティ、という人もいるかもしれないから、絶対私だけとは言えないが、私が唯一、明らかなperson of colorだった。たぶんあの会場にいた白人さんたちは気づきもしていない人が多いんだろうが、、圧涛Iに白人が多い大学とはいえ、マイノリティで会合にでてきたのがこんなに少ない(私一人かもしれない)、ってことは、マイノリティや外国籍教員たちへのリーチアウトがいまいちできていない可能性が高いということなんだろうと思う。こういうことも、今後組合ができたら、うまく改善していきたいのもだ。

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2 コメント

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Unknown (at)
2009-02-20 09:14:00
勤教員(テニュアトラック)用組合と、非常勤用組合と二つつくり、両方同時期に投票しようという流れとのことですが、2つに分けないで非常勤職員の声を反映しやすい組合というものは作れないものなんでしょうか?労働者側で自ら置かれた階級、序列を容認してしまっているようで寂しいですね。労働者として一致団結して、労働環境や待遇改善のため、大学のより良いあり方について、大学側と交渉テーブールにつくという選択肢はないんでしょうかね?「男性の正社員組合」と揶揄される日本の連合に似たものを感じてしまいます。アメリカの大学のテニュアシステム自体が日本の雇用状況とは違うので比較の対象にはなりえないとは思いますが・・・
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Unknown (ともみ)
2009-02-20 10:24:39
私はこの動きの中心にいたわけではないので、どういう流れで2組合ということになったのかの詳細はわかりません。ただ、アメリカの場合、職種別組合というのはよくある話で、キャンパス内にも様々な職種の組合が併存していたりします。別組合になったからといって、協力して団交したりするのは自由であり、別行動を強いられるわけでもありません。同じ交渉テーブルにつきたければ、それをするのも自由とのことです。

そして、理想はさておき、現状を考えると、、この大学では常勤教員が500人程度、非常勤は200人程度ということで人数の差もあり、もちろん学内での権力差のようなものもあり、普通に考えると常勤の声のほうが大きくなりがちだと思います。そして、抱えている問題も異なっています。そんな中、非常勤の声が現実としてよりよく反映される方法はどちらかと考えると、、別組合として、常勤組合と同等の力をもっているという方向のほうが、まずそこにある問題を明らかにし、解決するのには私は適していると思いました。州内で、常勤と非常勤が同じ組合で動いている大学もあるのですが、そこは常勤の声がやはり大きくなっている現状のようなこともあり、、

atさんは、そういう現状を超えて、、という話をされているのかとは思いますが、常勤にくらべて非常勤は本当にバラバラにされており、キャンパスにオフィスもなく、、という状況です。まずは自分たちの声だけを考えてくれる団体をもち、その上で、常勤組合と組んで動いて行くという方向性はアリだと思います。もちろん、将来的にいっしょになったほうが効果的となるのであればそれでいいと思うのですが、、


で、今回の組合の中には、遠隔教育部門の教員などははいっていない(はいれない?)とのこと。リサーチファカルティと呼ばれる人たちもダメらしいです。
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