ふぇみにすとの雑感

日々の雑感、テレビ、社会、フェミニズムについてなど。モンタナ発信。

アメリカでの教員の呼び名

2008-02-11 11:48:31 | 大学関係
先日、女性教員のちょっとしたビール飲み会があったので行ってきた。そこでちょっと話題になったのが、学生が教員をどう呼ぶか。私と話していた2人の白人女性教員は、自分たちがファーストネームで学部生に呼ばれるのが好きではないという。とくに男性教員はProfessor○○、Dr.○○と呼ばれる場合が多いのに、女性はファーストネームが多かったり、最悪の場合Mrs.○○と呼ばれる場合もあるというのだ。院生とか、せめて学部でも高学年になり教員と近いところで研究活動などするようになればファーストネームでいいけれど、学部生のとくに入門レベルの講座をとる学生の場合は、Professor○○、Dr.○○と呼んでほしい、学部全体でこれは話し合うべきかもしれない、と言っていた。

女性教員は男性教員にくらべて、教員としての権威がないとみなされがちで、学生も男性教員に対してよりも、女性教員に対して敬意を払わない傾向があったりすることから、呼び名にこだわるっているのだろうと思う。私が所属する人類学サイドでも、男性教員たちは学生にDr.をつけて呼ばせているようだ。その反面、私は「トモミ」と呼ばれている。だから、学生たちが教員名を羅列するときは、Dr.○○が3人続いた後に、いきなり「トモミ」となる。なんか変な感じではある。

でも、私は個人的には学生にDr.とかProfessorと言われるより、トモミと呼んでほしい。話していた女性たちに、「いや、私は気にしないよ、むしろトモミと呼んでほしい」と言ったら、せっかくの話の盛り上がりに釘をさしてしまった雰囲気もあったのだけれど(とくにその中で一人だけ非白人でマイノリティ度が高く、おそらく最も権威をもって見られないだろう私がそういう発言をしてしまったために)、でも、Ph.D.があるとか、常勤であるとかだけで、"Dr."だの"Professor"だのつけて呼べ、ってのはどうなんだかな、、と気になってしまうからだ。大学には、Ph.D.をもたずに教えていたり、常勤ではないため"Professor"というタイトルをもたない人たちだってたくさんいる。その人たちと、呼び名で差異をつけるというのもすごく違和感がある。自分自身の経験を考えても、私がャXドクとして教えていた時代、常勤の教授と一緒に教えたときに、その人が自身をファーストネームで呼んでね、と学生にいってくれていて、とても有り難かったのだった。

シカゴではずっと学部生たちは私を「トモミ」と呼んできた。で、モンタナの学生は私のことをいきなり「Dr.ヤマグチ」と呼ばねばならない、というのも変だ。

そして、学部生と院生の間で妙に差別化して、院生だったらファーストネームで呼んでもいいというのもなんだか変だ。学部生だって、私が今いるような大学ではとくに、社会人を経験して来ている私より年上の学生さんだっている。年が若くても、見識に優れた人たちもいる。私は学部生たちから常に学び続けているから、自分との間で差別化するような呼び名はできる限り避けたいと思う。

日本語の「先生」という言葉は、英語のようにランク付けや学位が呼び名に絡んでこないし、案外気軽に使えたりもするという意味で、便利なのかもしれない。それでも、「先生」も避けたいところなのだけれど。



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1 コメント

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Unknown (cooyou)
2008-02-11 14:26:43
昔、デラウェア州でャXドクとして赴任したときに、ボスにききました。どう呼べば良いかを。

彼はバリバリの白人男性だったので即答でファーストネームをリクエストしてきましたね。
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