2017年12月31日、中国は“洋垃圾(外国ゴミ)”の輸入を禁止した。それは2017年7月27日付で中国政府“国務院”が、全国の省・自治区・直轄市政府ならびに国務院関係部門に対して下達した『外国ゴミの入境を禁止する固体廃棄物輸入管理制度の改革推進実施法案の通知』(以下「法案通知」)に基づくものであった。
一方、方案通知よりも10日も早い2017年7月18日、中国政府は世界貿易機関(WTO)に対して上述した4分類24種類の固体廃棄物を2017年の年末までに輸入禁止とする旨の通知を行った。この通知の中で、中国政府はこれら原料となり得る固体廃棄物には汚染物質や危険物質が大量に混入しており、それらが中国の環境に深刻な汚染をもたらしていると言明した。これに対して年間56億ドルもの再生資源を中国へ輸出している米国の米国再生資源協会(United States Recycling Resources Association)は直ちに声明を発表し、中国が2017年末までに実施を予定している固体廃棄物の輸入禁止措置は、世界のリサイクル産業に深刻な影響を与えるとして懸念を示し、強く反対する旨を表明した。→こちらの日経ビジネスなどの報道
中国輸入統計HS3915によると、廃プラスチック輸入量は2016年が936.3万トン、2017年が804.6万トン。(こちらのJETROのサイト情報)
輸入が禁止されたことによりこれらの廃プラスチックは行き先がなくなったのだ。廃プラスチックだけでない、古紙など諸々だ。
中国が「ごみ輸入」を禁止したことに対して西側メディアが反発しているが、中国の行動は正当と、中国は主張していた。→RecorChina/Niftyニュースなど
最近の報道によると、韓国では廃品回収業者がプラスチックや発泡スチロールなどの再生可能品の買い取りを4月から停止したため、ソウルなど大都市圏の住宅地で今月1日より処理できないごみが山積みになっているという。増えていく一方のごみに対して、一部の団地では住民のプラスチックごみ投棄を禁止したことで、住民との間でトラブルが発生しているという。 →RecordChina
対応策として、欧州連合(EU)ではストローなど使い捨てプラスチック製品の流通禁止に向けて動き出した。→産経ニュースなど
しかし、26日のROUTERの報道では、中国政府が今年、外国からのごみの輸入を禁止した結果、中国のリサイクル業者は次々と海外へ移転。だがこれは中国政府が望んだ結果ではなかった と。
中国は、廃プラスチックの輸入をして、額縁やおもちゃ等のいろんな製品に作り替えていた。石油からプラスチックをつくって製品化するよりも、廃プラスチックをリサイクルして製品を作った方が安上がりだという事情もあって、輸入を進めてきた。 輸入禁止で、リサイクル業者は商売ができなくなり、海外へ移転して行ったのだろう。
結果→中国内でも、再生する業者がなくなり、行き場がなくなったごみがあふれる???
輸出先がなくなった廃プラスチックは、タイやベトナム、マレーシアといった東南アジアの国々へ資源ごみとして輸出されている模様だ。しかし、中国市場と比較して東南アジアの国々のリサイクル市場は小さく、年間約5割~2倍のペースで輸入増加が続くと市場が飽和するという。また、資源ごみの不正輸入の増加に対し、輸入後の処理がなされず環境汚染などが拡大することへの懸念から、各国で輸入規制強化を求める声が上がっているとのことだ。
タイでは、輸入禁止を発表し、波紋を投げている。→NHK報道はすでに削除されているが、こちらなどは残っている
NHKクローズアップ現代(動画 25分)で「世界衝撃のごみ問題」で上記を耳と目で見てみよう。
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