「古都逍遥 京都・奈良編」「花の詩」「日常のこと」や花や風景写真

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「興臨院」 (こうりんいん)

2006年03月08日 21時23分55秒 | 古都逍遥「京都篇」
 豊臣秀吉が大茶会を催したことで良く知られている大徳寺の広大な敷地に24を数える塔頭が群立し、その1つ1つを拝観することはできず、春や秋の時節に特別公開される所が多い。
 興臨院は加賀百万石の前田利家に縁のある寺院であることから、ちょっと高い拝観料600円也を納めて門をくぐった。
 当院は、大永年間(1521~28)建立されたもので、興臨院の古門(表門)と称され知られている門を潜ると、禅宗独自の趣を感じさす古刹、仏智大通禅師を開山に能登の領主畠山義総が建立して、自らの法号興臨院を院号にした。大永年間、能登の守護畠山義総が建立。のち焼失しが、天文初年(1530~40頃)に再建された。天正9年(1581)前田利家によって屋根の葺替が行われ、以後前田家菩提寺となる。
 表門は創建当時の遺構で、本堂とともに重要文化財に指定されている。本堂は近年解体修理で創建当時の姿に復元されたが、屋内後列中央の仏間と仏間裏の眠蔵(めんぞう)の構成などに特色を示す。重要文化財の椿尾長鳥模様堆朱盆(長成作・非公開)を所蔵している。
 本堂の方丈の門である国宝・唐門(日暮門)は、明治までこの興臨院と瑞峯院、大悲院の総門として在ったもので(金毛閣隣)、以前の方丈への門は明智門といって光秀の寄進によるものだが、現在は南禅寺塔頭金地院に移築している。
 方丈の室中の間は響き天井となっており、響き天井は偶然の産物であるらしい。大勢の人がいない状態で部屋の中で思いっきり手を叩くと、その音がビリビリ反響する。しかし、人が沢山いると鳴らないから面白い。

 方丈正面と西側は枯山水式庭園で、大海を白砂、深山を苔、岩組み、刈り込み、樹木もなく禅寺らしい雰囲気を留めている。落ちついた雰囲気があり、竜安寺の石庭のように、いつまででも眺めていても飽きることがない。
 庭園の隅に貝多羅樹が植えられている。この木の葉っぱに竹の枝で傷をつけて写経したとらしく、寺院では良く見られる樹木である。ちなみに、葉書は、この樹木の葉に由来するという説もある。
 秋の見所は何と言っても裏庭にある楓だ。枝にたわわに付く葉がオレンジを経て赤くなり、燃えあがる炎のような美しさである。背後の緑色の竹林と青空をとのコントラストが絶妙で一層美しさを増す。

 所在地:北区紫野大徳寺町80。
 交通:市バス大徳寺前下車、徒歩約5分、地下鉄烏丸線「北大路」駅から徒歩15。
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