「古都逍遥 京都・奈良編」「花の詩」「日常のこと」や花や風景写真

 京都・奈良を中心に古刹・名刹や「花の詩」等の紹介。花や風景写真、オリジナルの詩、カラオケ歌唱など掲載しています。

「岩船寺」(がんせんじ)

2006年03月04日 21時54分43秒 | 古都逍遥「京都篇」
 関西花の寺霊場第十五番札所として知られる「岩船寺」は、洛外の相楽郡加茂町の地域にある山寺である。
 同寺は奈良県と隣接する山地にあり、「あじさい寺」として写真愛好家たちに知られているところでもある。また、石仏が多く散在し、「浄瑠璃寺」までの徒歩30分の山道に順不動、笑い仏、からすの壷、藪の中の三尊磨崖仏があり、小鳥のさえずりを聴きながら散策するには絶好の地である。
 秋の紅葉、春のみつばツツジ、夏の睡蓮と蓮も当寺を訪ねる価値がある。
 創立は天平元年(729)、聖武天皇が出雲の国不老山大社に行幸の折、霊夢によって、この地に阿弥陀堂の建立を発願、大和国善根寺に籠居していた行基菩薩に命じて建立したことに始まる。その後、弘法大師と智泉大徳が阿弥陀堂において伝法灌頂を修し、灌頂堂となるが、弘仁4年(813)に堂塔伽藍が整備され、岩船寺と号した。なんでも最盛期には4域16町の広大な境内に39の坊舎があったそうだ。
 当寺で名高いのが三重塔で、天長2年(825)智泉大徳入滅の後、10年を過ぎて承和年間に、仁明天皇が建立したと伝えられている。朱塗りの美しい姿は、訪れる人々のため息を誘う。
 紫陽花を前景に、また紅葉を添えた美麗な姿は、写真愛好家ならずとも、日本の情景を堪能することだろう。
 交通:JR奈良駅・近鉄奈良駅から奈良交通バス96・105系で岩船寺口下車。

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