三重県に出張して、高等学校で国語を教える先生方の研究会に出席してきました(8月31日)。
正式な会合名は、三重県国語教育研究会・教材開発小研究会というもので、教科書に掲載されていない文章による独自の教材を考えている先生方の研究会合です。
そこに講師として招いていただきました。私は文学研究者ですが、国語教科書についての論文・講演録などもかなり発表していますし、明治書院の国語教科書の編集委員も長く務めています。ですので、今回はその両方の立場を考えて、「国語教科書の小説教材をめぐって」というお話をさせていただきました。現状の教科書の小説採録がどのようにおこなわれているかと、その状況の中で独自に教材を選定する場合に何が必要かということを考えてみました。
ここ数年、国語の先生方の前でお話をする機会が増えてきました。その多くは「講演」の形ですので、まとまったお話ができる分、私からお伝えする方向が中心になります。今回は15人ほどの少人数の会ということで、私から1時間ほど話をさせていただき、その後2時間以上、高校の先生方と質疑応答や意見交換をすることができました。
講演の形でお話をさせていただくこともたいへん光栄ですが、一方で、こうした十分な時間をとって国語の先生方と意見交換できることは私にとってたいへん有意義なことでした。
私は国語教科書について、論文を書いたり講演をしたりしていますが、国語の教員として勤務したのは、遠い30年ほども前に、2年間非常勤講師として勤めたに過ぎません。言うまでもないことですが、教室の状況も生徒の反応も年々変化しており、その変化を、こうした機会を通じて知ることができるのはたいへんありがたいことです。
今回は、三重県のたいへん熱心な先生方とじっくりお話をすることができて、今後も国語教科書や国語教育について考えていく重要な機会を与えていただいたと感じました。今回、招いていただいたことと、活発な意見交換をさせていただいたことに心から感謝したいと思います。
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