史跡訪問の日々

幕末維新に関わった有名無名の人生を追って、全国各地の史跡を訪ね歩いています。

前橋 Ⅴ

2017年08月18日 | 群馬県
(前橋公園)


楫取素彦・楫取夫人寿子
新井領一郎・星野長太郎像

 大河ドラマで「花燃ゆ」が放送されたのは、平成二十七年(2015)のことであるが、放送が終了した昨年の八月、「楫取素彦と松陰の短刀」をテーマとした銅像が完成した。いかにも時期を逸したような話だが、除幕が遅れたのは寄附金の集まりが思うように進まなかったことが背景にあったようである。
 銅像のモデルは、県令楫取素彦、その夫人寿子、星野長太郎と生糸の直輸出を目指して渡米しようとする新井領一郎(星野の実弟)の四人である。松陰の実妹である寿子が、新井領一郎に松陰の短刀を渡して奮起を促す場面を再現したものである。大河ドラマでも取り上げられた。
 この銅像のかたわらには、ポケモンゴーに興ずる初老の集団が陣取っていて、なかなか写真を撮らせてもらえなかった。良い年してポケモンゲームなんて…と思ったが、他人の趣味をとやかくいうのも野暮なんで、何もいうまい。


宮崎有敬翁紀功之碑

 銅像の傍らには、以前高浜公園にあった楫取素彦功徳碑や宮崎有敬翁紀功之碑が移設されている。

(臨江閣)
 臨江閣は、明治十七年(1884)、迎賓館として建設された。当時の県令楫取素彦や下村善太郎ら地元有志や銀行などの企業の寄附によってつくられた。木造二階建ての数寄屋風の建物である。私が訪れた時、ちょうど大がかりな改修工事中で、残念なことに建物の中を拝観することはできなかった。


臨江閣

 臨江閣の庭園内に茶室畊堂庵(こうどうあん)がある。臨江閣とともに明治十七年(1884)に建てられたものである。創建当時は特別な名称は無かったが、平成二十年(2008)、楫取素彦の号「畊堂」に因んで、畊堂庵と命名された。


臨江閣茶室
畊堂庵


星野翁碑

 臨江閣庭園内の巨大な石碑は、星野長太郎の顕彰碑である。星野長太郎は、弘化二年(1845)生まれ。上野水沼村(現・群馬県黒保根村)の出身。明治七年(1874)、水沼製糸所を創業。村内の座繰り糸の仕上げ工程を共同化して、生糸の大量出荷とアメリカでの直接販売をこころみた。明治十三年(1880)、上毛繭糸改良会社を創立し頭取に就任。明治三十七年(1904)衆議院議員となった。明治四十一年(1908)死去。六十四歳。

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