著者磯田道史氏は、最近マスコミへの登場が目につく若手学者である。だいたいマスコミに受ける学者さんというと、大向うをうならせることを意識した発言ばかりで信用がならない。
という次第であまり期待せずに読み始めたが、思いのほか説得力のある主張ばかりで感服した。まさに「我が意を得たり」の連続。星五つを差し上げたい。
「龍馬自身が書いた手紙を虚心坦懐に読んで、真の龍馬像に迫る、その知的作業が、あまり行われていない」と主張する著者が行き着いた結論は、「龍馬暗殺に謎なし」である。
著者は、巷間囁かれている新選組黒幕説、紀州藩黒幕説(かくいう私も一時、紀州藩説に傾いていました)、土佐藩黒幕説、薩摩藩黒幕説を次々と否定し、「荒唐無稽」と切り捨てる。虚心坦懐に、そして公正中立に残された史料や証言を読み解けば、これら黒幕説があり得ないことは明白である。
――― 龍馬ほどの人物が殺されたのだから、その犯人はできるだけ大物であってほしい。あるいは何かとてつもない大きな陰謀が事件の裏にあって欲しい。そういう龍馬に対する敬慕の念に発した「願望」が我々の中にあるのかもしれません。
いや、全くそのとおり。薩摩藩黒幕説など本気で信じしている方がおられましたら、是非この本を一読願いたい。
という次第であまり期待せずに読み始めたが、思いのほか説得力のある主張ばかりで感服した。まさに「我が意を得たり」の連続。星五つを差し上げたい。
「龍馬自身が書いた手紙を虚心坦懐に読んで、真の龍馬像に迫る、その知的作業が、あまり行われていない」と主張する著者が行き着いた結論は、「龍馬暗殺に謎なし」である。
著者は、巷間囁かれている新選組黒幕説、紀州藩黒幕説(かくいう私も一時、紀州藩説に傾いていました)、土佐藩黒幕説、薩摩藩黒幕説を次々と否定し、「荒唐無稽」と切り捨てる。虚心坦懐に、そして公正中立に残された史料や証言を読み解けば、これら黒幕説があり得ないことは明白である。
――― 龍馬ほどの人物が殺されたのだから、その犯人はできるだけ大物であってほしい。あるいは何かとてつもない大きな陰謀が事件の裏にあって欲しい。そういう龍馬に対する敬慕の念に発した「願望」が我々の中にあるのかもしれません。
いや、全くそのとおり。薩摩藩黒幕説など本気で信じしている方がおられましたら、是非この本を一読願いたい。