11月25日(月)
娘達を土曜日に迎えて、きょうまたケアホームに戻って行く。
この二人の娘が3年前からケアホームへ入居してから、私達の生活もずいぶん変わったなと思う。そして娘達二人も、新たな生活に順応してきた。その生活の中での彼女たちの変化で、最近親として感じるものがある。それは二人の娘が重度の知的障がいという判定を受けてはいるものの、二人の心の絆のようなものを感じる時がある。次女が入院して長女だけがケアホームに残されたり、先日も長女が肺炎となって帰宅した際には次女がずいぶん姉の所在を探すような風で、寂しそうな表情を見せたとスタッフから聞いた。いつも一緒にいると気づかないが、急にいなくなるとどこか違うということが分かるのだろう。
ケアホームでも姉が部屋のベッドに移されると次女も私も・・・という感じでついていくことがあると聞いた。こんなことは自宅では見られない。
そう思うとケアホーム入居に際し、娘達は親たちから切り離されてどんなに心細い思いをしたことだろうと不憫に思う。
それでも自宅へ戻れば戻ったように、次女はケアホームでは近隣の迷惑を考えて遠慮がちのピアノを存分に音出しも出来て楽しそうだし、長女も長い廊下を腹ばいで両上腕だけの力で移動してキーボードを目指す姿は楽しみを持つということの大切さを感じさせる。
二人の娘達が何も文句や恨み言を言うわけでもないことが、逆に私には時々心に突き刺さってくるものを感じることがある。二人三脚で娘達二人を育ててきたが、今その娘達が私達に自らを犠牲にして安楽を与えてくれていると思うようになった。
二人の土日帰宅がいつまで続けられるのだろうか・・・。そのことだけが今、私達家族の最後の心の牙城なのかもしれない。