夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

第1回書の会

2012-04-05 16:27:27 | 私と福祉とであいの旅
4月5日(木)

 嵐が去って、青空がのぞいた。
 新年度のプログラムで、「書の会」が開催された。
 講師はご縁があって、弘前市の西福寺の僧侶工藤大志さんが努めてくれることになった。西福寺は私も最近知ったのだが、円空仏が2体も鎮座されているという。
 
 今日の参加者は9名で、状態象もさまざまである。
 講師の紹介だけをして、あとは写真を撮りながら展開を見守った。

 

 初めての人はさすがにいないが、中には小学校以来の人もいた。脳性まひのAさんは自分の筆を持っており、積極的である。彼女は在学中に自らの書が酒造店の酒瓶シールに使われているという。
 

 講師の温かな雰囲気もあって、参加者全員がにこやかでのびのびと書を楽しんでいた。「書の会」では自分たちで準備も後片付けも行うこと、開始前に必ず自分で墨もするということだけが約束だった。
 これからまた一人ひとりの楽しみが、広がっていくような可能性を感じていた。

 

NPO法人「ありんこ」

2012-04-05 06:34:50 | 私と福祉とであいの旅
 先日前触れもなく法人の玄関に訪ねてきた、二人の若い男女がいた。4月からスタートしたNPO法人で名前は「ありんこ」と言った。名刺をいただくと「児童ディサービス」を主体としているらしい。そういえば先日わが法人のスタッフから、養護学校の途中に旧縫製工場の建物を使って始める団体があるとは聞いていた。事業所の名前は「やよいのあかり」と書かれていた。

 女性の方はそのNPO法人の理事長で、もう一人の男性が事業所のメインスタッフ・介護福祉士・サービス管理責任者と名刺に書かれていた。
 わが法人を訪ねてきた理由を聞くと、若き女性理事長にはハンディキャップを持つお子さんがいて、現在特別支援学校に通っているという。そして私の娘も通ったことのある、O学園の施設長から訪ねていくように勧められたという。
 法人の名前「ありんこ」とはどういう意味があるのですか?と尋ねると、蟻は一匹は小さくても、みんなで大きな物を力をあわせて目標地へ運んでいくイメージを持っているという。なるほど・・・と思った。

 私と彼女の共通点が確かにここにあり、ただそこには燃えカスのような自分とこれから夢を実現しようとしている若者がいるという構図がある。
 私達がスタートしようとしていた18年前には、社会の中にはまだ通所事業所の姿は少なく、施設を「選ぶ」などという要素は一つもなかった。

 障がいがあれば、自宅にこもりきりの生活をするか、入所施設かの選択しかなった。あの時代に私達一家は、立ち上がったのだ。
 障がいがあっても地域で普通に暮らせるシステムづくり」

 しかしどうだろう、その18年後は・・・。
 社会福祉法人の通所授産施設(現在は就労系通所事業所)や、NPO法人の児童ディサービス事業所が10ヶ所以上に増えている。

 入所施設への希望者は、どんどん減っているのだろうか・・・。

 これからはこうした目的をそれぞれに持った若き起業家がたくさん輩出し、活動展開していくのだろう。大いに頑張って欲しいと思うし、応援もしたいと思う。
 障害を持って生まれてきた親たちも、自分の子供がどの事業所を利用すれば毎日豊かで炭素いい暮らしができるのかを考えられるだろう。何より、障がいの子どもの親ということをマイナスに捉える必要のない社会が今まさに実現されようとしているのではないか。子どものために母親が犠牲になって、家の中でただひたすら介護や送迎に明け暮れしていた時代ではなくなっている。普通の家庭と同じように、障害の程度にかかわりなく、日中それぞれが活動したり、心配なく働くことができる。困難なことがあればほとんどサポートするシステムが出来上がってきた。そういう社会が今まさに眼の前にあるのだ。

 そして私が応援しようと思うのは、少なくともこういう当事者や当事者の思いを大切にしようとする支援者がしっかりと目標を持って始めることが重要だと考えている。
 福祉を「儲かるから」とか、「損をしたくない」から「やる・やらない」を決めるような意味不明のものを応援する気はない。

 決して群れず(人がやるから自分もというのではなく)独自性を持った理念と、確かな人間観、社会観、価値観を胸に秘めて、そのために努力し続けること。社会の人々を組織できること。自分の子供を幸せにするためには、社会の子供たちを幸せにするシステムが必要なのだと考える人々を応援したい。
 台風並みの暴風雪の去った朝、一点の曇りない青空が白銀の世界を包みとてもすがすがしい。