夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

「こころ」2

2009-08-29 14:24:33 | 創作(etude)
 こころ

 この定まらないもの
 くだりの坂道に差し掛かると
 転がり始め
 上りの坂道になると
 おだてても
 なだめても
 すかしても
 頑として動かなくなる
 そうして
 道端の穴に
 落ち込もうものなら
 この世の終わりのように
 泣きわめき
 重病人のように
 やる気を失い
 赤子のように
 乳をほしがる

 それでも
 こころは
 育つ
 柔軟になる
 向かいからやってくる
 別の心とすれ違うたびに
 広くなり
 高くなり
 深くなる

 こころはだから
 変わらなければ
 ならないという
 特徴を持っている
 
 若い時代には
 みずみずしさや
 柔軟な弾力性をもち
 壮年期には
 落ち着きと
 自信
 そして
 協調性
 経験を糧とした
 企画力
 組織力
 何より
 実行力が伴っている
 晩年には
 ゆったりとした
 大河のように
 たどってきた
 いく筋者人生の小路を
 もう一度たどりなおすかのように
 ロッキングチェアに
 深く腰掛けて
 眼をつぶったままで
 柔らかな風に身を任せて
 そうして次第に
 眠りに落ちていくのだ

役員会終了

2009-08-29 05:51:43 | つれづれなるままに
 法人理事会・評議員会が昨夜開催された。議案の中心は「ケアホームの改築工事の予算化の承認」である。またそれに伴い、職員採用、給与規定等の改訂が承認された。また新規事業として11月1日から開始予定の「居宅介護」「相談支援」の両事業も承認された。
 2000年に法人が認可されて、今年満10周年である。格別なイベントを行うわけではないが、これまで事業の推進に協力をいただいてきた役員諸氏に対し感謝の夕食会となった。あうんの名物はなんといっても、建物の付属施設であるウッドデッキである。隣のリンゴ園の樹間から、半月が見えた。仕事を終えた職員が集まって、バーベキューの支度を手伝ってくれた。役員の一人が鹿やウサギの肉を提供してくれたので牛肉を混ぜて焼いた。珍しい食感で、みな恐る恐る手を伸ばしている。新潟からの土産の油揚げや日本酒も添えられ、生ビールなども振舞われた。
 午後9時に中締めが行われて、皆さん満足されて帰った。
 法人の目指すものなど私と中核のスタッフで、残り物をいただきながら話しをした。私が居なくなっても、私が目指し法人が実践した方向性をぜひ見失わずに、受け継いでほしいと思う。それは何よりも「社会の子ら」がこの世に生まれてきたことを祝福し、それを支えられるきめ細かなシステム作りなのだ。
 「社会の子ら」は、神様からの贈り物でもある。私たちはその存在から様々な弱さの中にある「社会のあるべき姿」「人間の矜持」を学ぶ機会を提供されているのだ。私たち自らが、この人々を支える姿を示すことによって、社会の人々がまた新たな支えの理念を広めてくれるはずなのだ。
 「見えないと思うことはない」というデンマークのことわざを、私はまさにこのしょうがい者福祉の中にいつも見ている。建物がまずあるのではなく、人がそこにまず暮らしているのだ。その暮らしの不足を支え、補い、高められるような支援を行うことが私たちの役割なのだと思う。
 宮沢賢治の思想「すべての人々の幸せの実現こそが、私自身の幸せ」につながるという願いを私はこれからも大切にしたい。