夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

「告白」湊 かなえ著/双葉社刊 読了

2009-08-11 06:18:58 | 私の本棚
 「告白」を一気に読み終えた。
 
 中学校の女性教師と生徒、保護者をめぐる心理劇という設定。
 女性教師はひとり娘を持つシングルマザー。その娘の父は世直し教師として有名なHIV感染者だった。
 冒頭女性教師が聖職者を辞すると、クラスの生徒に向けて宣言する場面からこの物語が始まる。自分の愛娘が学校のプールで溺死したことがその原因かと思われたが、実は担任のクラスの生徒二人が娘を殺したのだと教師は告げる。
 そのクラスメートはその次に、その愛娘殺人と衝撃的な事実告白でパニックになる。誰にも言えないそのクラスだけの秘密とは何か。
 クラスの中で殺人を犯した二人の生徒の、家族関係、親子関係の構図が浮き彫りにされていく。
 少年法という壁の中で、殺人を犯した少年には国が親に代わり最善な更生方法を考えるというもの。その法律も90年代の14,5歳の少年の凶悪事件が頻発し、少年法は16歳から14歳に引き下げられた。しかしそれでも13歳の少年の殺人事件は該当せず、少年たちの本当の更生につながらないエリアがあった。そのことから女性教師は、自らその処罰を計画していく。