夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

地域を耕すために

2008-02-20 07:10:09 | つれづれなるままに
 旧岩木町の商店街には、岩木山を西に仰ぎ、二本のバイパスと旧道のバス通りが弘前市と岩木山に向かって走っている。わがパン工房「ゆいまある」も、旧道側のバス通りに店を構えている。
 そのバイパス側や旧道側の商店街と役場庁舎を、ボランティアスクールのポスター掲示と参加案内のチラシを依頼するために2時間がかりで歩いた。
 「自閉症?」なにそれ?・・・という顔をする方もあれば、好意的に笑顔で迎えてくれる方の格差を感じていた。まだまだ地域のなじみになるには、何か違うアクションが必要だなと感じている。
 誰もが地域のメンバーとしてなじみの存在になれるように、そして温かく迎えられるようにするためには、何か仕掛けが必要なのだろうと思う。その仕掛けとは、日常生活の中での自然な出会いがもっと増える必要があると思う。きょうのような取り組みはそれはそれで、商店街の方との出会いの第一歩としては良かったのではないだろうか。スーパー、コンビニ、喫茶店、ガソリンスタンド、バス停そばのお店、薬屋さん、温泉、お菓子屋などを巡った。あとは駐在所や消防署、学校、保育所、金融機関、歯医者さんなどを巡る予定である。何ごとにも最初の出会いは欠かせない。
 この夜台本を持っての寸劇の練習が、いよいよ始まった。自閉症の青年(20歳)のイチロー君の一日から、自閉症の方の障害特性を表現するのだ。朝起きて、横断歩道を渡る時のストップの足型に気を取られて道路が渡れない。バスに乗る際の自分の座席へのこだわり、パンの作業所での計量作業でのこだわり、お昼の軽食喫茶で他人のお水まで飲んでしまうイチロー。コンビニではお金の支払いにてこずるイチローと周囲の戸惑い。帰りの公園では腕まくりをして休んでいる会社員の袖を直そうとしてトラブル。
 そしてこれらの課題に周囲はどのように理解し、温かく支えられるのか。ビフォーアンドアフターも交えながら、笑いも取りたいとメンバーはアイデアを出し合った。イチロー役はあうんのスタッフKさんを抜擢。効果音はあうんの事務主任Mさん。横断歩道の音、バスの車内アナウンス、公園の蝉の音などを場面ごとに演出して感じが出ていた。
 練習はあと2回。これまで手がけてきた福祉演劇の素地があるからこその、今回の寸劇だなと思う。まったくと言うほどその壁は感じられないのは、我があうんのスタッフの演劇や社会活動経験者が多いことが上げられる。うまく行けば、これを土台に出張のボランティアスクールも可能になるだろう。一人ひとりの障害特性が、なじみになってくれるような社会作りへのアクションは、これから周辺住民を巻き込んで行けたらいいと思う。
 そんなことをふと、星空を眺めながら思っていた。