夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

重度制約者・Rさんの悲痛な生活

2008-02-12 16:51:32 | 福祉について
 身体しょうがいしゃ療護施設に入所中のRさんは年齢が40歳。女性である。肢体不自由児施設から身体障害者療護施設に移行し、施設生活もかなり長くなっている。彼女は自分の希望で毎月ヘルパーを使ってあうんに自分の好きなパソコンを練習したいとやってくる。そしてその折には日頃の施設生活上の不満を目いっぱい紹介し話していくのだ。彼女は車椅子で暮らしている。また食事以外は全部介助の必要な彼女だが、ことばでのコミュニケーションはややわかりづらいが充分理解できる状態である。
 彼女の不満の一つは施設職員にいろいろお願いしても、忙しさを理由に対応が不十分であることである。例えばトイレに入れてもらっても呼んでもなかなか来てもらえないために、便座から落ちてしまうことがあったという。パソコンの使い方を教えて欲しいといっても、誰も「わからない」といってかまってくれないなどである。いわゆる「無視」された状態が続いているらしく、その不満を私の自宅や施設に電話で話してくる。時には電話の向こう側で感極まって泣くのであるが、そんな彼女を不憫に思うのである。
 施設職員というのはかくも非常で、冷淡なものかと自分でも施設運営をしていながら、情けなくなる。これが国家資格(介護福祉士)のある職員になった専門家といえるのかと、腹立たしい思いでいっぱいである。
 ことばで訴えのできる彼女ですらこうなのだから、私の娘のようにことばでの訴えができない入所者はどうなるのであろう。自傷行為をするか、諦めるしかないのであろう。こういうことを聞くだけでも、ますます施設というものの存在意義を疑ってしまう。事故さえなければ人は良いのだろうか。生活の質とやらはいったいどこに行ってしまったのだ?ルーチン的なケアだけで、終始している職員の仕事の質とは何なんだ?!
 せめては私たちの願いでもあるケアホームを早急に整備して、彼女たちの安寧の場所を確立するしかないのだろうか。