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田舎の道草

田舎の道草徒然日記

「ここは誰・・・」から始まる

2020-07-19 | 日記
ここまで長~いこと生きてきたが、先日、
生まれて初めてのある事態に遭遇した。
某ビル玄関の自動ドアから入ったものの出れ
なくなり、閉じ込められてしまったというも
の。最終的にはビルから出ることが出来たの
だがその間約20分、とても長~く感じた。 

それは、3階にある目的の事務所が休みだっ
たため帰ろうとしたとき、玄関の自動ドアが
開かない。
一般的には、入れなくても出れるのがセキュ
リティ上の自動ドアの役目のはずだが、どう
いう訳かそこは逆。誤作動をしてしまったの
だろうか。
閉じ込められたことを察した人間は、不安に
陥るもので、心理的に焦り、そして行動は
冷静さを失う。
まず「ここは誰?、私は何処?」的な思考
回路からそれは始まる。

このビルから脱出するにはどうしたらいいか
「心の中に分け入ってみよう」
(NHK「英雄たちの選択」ならぬ凡人の
選択)
「開かぬなら開くまで待とう自動ドア」
「開かぬなら開けてみせよう自動ドア」
「開かぬなら壊してしまえ自動ドア」
ここでは、両手でドアを無理やりこじ開ける
ことを選択してみるもビクともしない。
また、一階にあるドアというドアを開ける試
みもしてみたが何処も開かない。

この状況の中、冷静さを保てたと感心したこ
とが一つだけあった。
それは、二階より上に出口は無いと(当然
か)判断し地階に降りてみたことだ。
するとどうだろう、目の前に駐車場へ出れる
自動ドアを発見することが出来た。

してやったりと勇んで駐車場に出てみたもの
の車の出入口シャッターが閉まっていて、外
に出ることが出来ない状況に気付いた。
失意のうちにビルに戻ろうと自動ドアの前に
立ったら、今度はその自動ドアが開かない。
またもや、両手でドアを無理やりこじ開ける
ことを選択してみたもののビクともしない。
想像してみてください。ドアの間に指を入れ
大きく股を開いて力む姿を・・・。
この時は、この世の終わりを感じた。

暗くて静かな駐車場での約10分間は、何日
分にも思えるほどの長さだった。
とても長~く長く感じた。

その時、わだスと同じように駐車場に迷い込
んで来た人がいて、気の毒だなと思っている
と、「どうされましたか」と当ビルの関係者
らしく尋ねてきた。
「助かった~」当ビルに閉じ込められたこと
を説明し「出して下さ~い」とすがった。

すると、その人曰く駐車場の隅の小さなドア
を指さし「内側の鍵を回すと出れます」。
取り乱していたため、見つけられなかった小
さなドア、外の光が、とても眩しく感じた。

今、監視カメラに収録されているだろう取り
乱した自分の姿を思い浮かべると、とても
心配で眠れない。ピースサインを贈る余裕す
らなかったのだから・・・。
そして、あれ以来、自動ドアが開いてもすぐ
に入らず、その自動ドアから入った人が出て
来れることを確認するようになったのは言う
までもない。