田舎の道草

田舎の道草徒然日記

欲は失敗のはじまり

2011-10-10 | 日記・エッセイ・コラム

今日体育の日、長年使用していなかった健康器具を解体した。
ばらばらにした鉄屑と、不用になった釣り用クーラーBOXを
近くの鉄屑回収業者に持ち込み買い取ってもらうことにした。
持ち込んだクーラーBOXは、業者の方いわく「プラスチック
は、処分料がかさむため、鉄屑買取額0円での相殺でよければ
引き取る」とのこと。
欲が出た私は、クーラーBOXは持ち帰ることを告げた。
(近頃、無料回収場が近くに出来たので、クーラーBOXは
そこに持ち込めばいい。)

鉄屑、計量の結果25kg。今の鉄の相場は1kg10円との
ことで250円を渡された。
少しでも家計の足しになったことを喜び、近くの無料回収場に
向かうが、そこで非情な言葉、「プラスチックは回収出来ません」
鉄屑と相殺してもらえばよかった。

家に持ち帰ったクーラーBOX。
以前、燃えないゴミ回収の日に回収されず、置き去りにされた
ことがあった。
そこで、クーラーBOXをノコギリで小さく切り刻み、今度の
燃えないゴミの日に出すことにした。
小さく切り刻むのに1時間以上費やし、明らかに、その労力は
250円の比ではない。
鉄屑と相殺してもらえばよかった。欲は失敗のはじまりと後悔する。

それでも、切り刻みながらも何かに利用出来ないかと欲を出す。
クーラーBOXを横に切ることでプラスチックの器に変身した。
また、クーラーBOXの内装は、発砲スチロールだったので、
同じように発砲スチロールの器が出来上がった。
どちらも、草花のポットに利用可能のようだ。
また、上半分は小さく切り刻んだので、燃えないゴミの日に
今度こそは回収してもらえそうだ。
それにしても、鉄屑と相殺してもらえばよかった。


鈴の茶屋

2011-10-10 | まち歩き

ふと私は、「鈴の茶屋」という小さな甘味処を想い出していた。

今から10年程前、東京の下北沢にあった小さな店で、仕事の帰りに

よく立ち寄っていたお気に入りの店である。

単身赴任で池ノ上に住んでいた私は、渋谷駅から井の頭線で帰宅

するのに、わざわざ遠廻りをし、池の上の次の駅下北沢で下車を

していたほどである。

新装開店したのも私が丁度着任した頃だったように思う。小さなショーケースには、

出来立ての、みたらし団子などの和菓子が並んでいて、京都出身の

店主が、作務衣姿で一人できりもりをされていた。

2~3人も入れば、いっぱいになってしまうほどの小さな店で、

椅子に腰を掛け、悠長な京都弁を聞きながら甘味を口にするのが、

とても癒される楽しい時間であった。

「みたらし団子の5個は、五体を現していること。」

「かき氷は、自然氷にこだわっているので、かき氷が溶け難いこと。」

「あんこは、北海道産の小豆にこだわっていること。」

「海外勤務の御経験があったこと。」

「子供の頃は、京都の太秦で遊んでいたこと。」

「御先祖様から背中を押されて生きていること。」

「熱中症で倒れられたこと」などなど、他にもいろいろな話をして

くれたことを想い出す。

夏には、美味しいかき氷が食べられる。自然氷にこだわり、抹茶と

北海道の小豆にこだわった宇治金時のかき氷は絶品であった。

そんな「鈴の茶屋」が一躍有名になったのは、かつて、関口宏、

三宅裕司が司会を務めたTV番組「どっちの料理ショー」で、その

かき氷が取り上げられてからだった。

メジャーデビューといったところであろうか、一頃の店の静寂さが

一転、行列の出来る店となった。

今は、店を閉めてしまったが、「鈴の茶屋」かき氷復活を願う声は、

インターネットを駆け巡り、サーバーに影響を及ぼしたという話は、

「鈴の茶屋」かき氷の人気の高さを窺い知ることが出来る。

今、その伝説のかき氷だけは、「しもきた茶苑大山」という店に伝承

されているとのことである。

「鈴の茶屋」というかつての小さな甘味処が、店主と、店の雰囲気と、

静寂さがとても好きで、懐かしく想い出されてならない。