今週号の日経ビジネスの「時事深層」で、雇用ミスマッチの記事が掲載されています。
以下、その概要です。
完全失業率は4.1%(平成25年8月)と、ここ数年の推移グラフを見れば、失業率が下がりつつある傾向が鮮明となっている。しかし、完全失業率だけを見ていては、今の日本を取り巻く雇用状況と、抱える問題点を見極めることはできない。
要は、完全失業率の内訳を見る必要がある。それは、景気の浮沈によって失業率が増減する「循環要因」と、雇用のミスマッチによって発生する「構造要因」である。最近の循環要因による失業率は0.4%。数字だけ見ると、ほぼゼロに低下し失業者はいないように見える。問題は、景気の浮沈にかかわらず数字が一定で高止まりしている構造要因の失業率だ。最新の数字は3.73%で、失業者の多くがこの分類に入ることになる。
構造要因による失業は、雇用の需要(求人)があるのもかかわらず、求職者と結びつかないミスマッチを示している。分かりやすいミスマッチの例の一つが介護業界だろう。介護業界は圧倒的に人手が足りない状況が続いている。それは、資格が必要で体力もいる。そのうえ、賃金がほかの産業と比べて低い傾向であれば、介護業界に飛び込む人材が少ないのは当然だ。
このような状況で、いちばん必要なのは「雇用の流動化」を高めることだろう。厳しいグローバル競争下で戦い、優劣がはっきりと表れる今、現在の職場以外で働けるスキルを身につける意識を労働者はもたなければならない。景気変動による失業率がほぼゼロという現状を考えれば、ミスマッチによる失業率の数字にこそ注目すべきだ。
確かに「構造要因による失業率」が問題なのだと思います。しかし、「雇用の流動化」はどのようにしたら高まるのでしょうか。介護職に移る職業訓練?。そうではないでしょう。転職する人の「覚悟」ではないでしょうか。その「覚悟」が今の日本人が持つのではないでしょうか。
サービス業なので本来質の高いサービスを提供すれば収入も上がる筈ですが、低収入の利用者が最低限のサービスを求めるケースの方が現実多いのではないでしょうか?
ですので、魅力ある職場環境と収入保障を進めないとカジノ解禁で雇用の流れが変わり、人手不足が深刻にならないか心配です。