「漱石の人生相談」という本は、夏目漱石が現代の日本の悩みに快刀乱麻に答えるという企画本です。
私は、20歳のころ夏目漱石の本を読んでその魅力にひかれ、その作品をすべて読みました。しかし、「こころ」や「坊ちゃn」の内容は覚えているのですが、「それから」、「門」、「虞美人草」、「三四郎」などはすべて忘れてしまっています。
近年、「100分で名著」などで「こころ」が取り上げられるなど、夏目漱石の本の魅力は現代でも色あせないものです。それで、また、夏目漱石を読もうと思っています。そうそう、「知恵泉」というNHK番組では、夏目漱石の芥川龍之介など作家育成の事が取り上げられました。
さて、この本は、「人生を生きるうえでの悩み」、「恋や結婚生活に関する悩み」、「仕事、勉強を続けるときの悩み」、「お金や財産についての悩み」、「人と関わりをめぐる悩み」、「政治や社会に対する悩み」に夏目漱石の名文回答を端緒として、漱石が答える構成になっています。
このような本は、正直、ノウハウ前的な内容ものが多く、つまらない本が多いのですが、ちがっていました。それぞれの答えが哲学的であり、夏目漱石の著書、人柄を背景にしているのです。
著者の根本浩氏は、1973年生まれの文筆家であり高校教員です。日本テレビ「世界一受けたい授業」に出演しているそうですが、私は最近、この番組を見ていません。いろいろな著者がある人にようですが、実力のある人だと思います。
あとがきに漱石文学のついて、次のように記載しています。以下、引用です。
「漱石文学を学ぶほどに、その深遠たる懐の深さ、真実をとらえる力には圧倒されるばかりです。」。その通りではないでしょうか。
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