産業カンセラー協会誌2月号に、「継続雇用者のモチベーション」という記事が書かれています。内容は題そのままで、60歳で定年を迎え、退職した者が嘱託契約を結んで勤めつづける人のモチベーションの問題を取り上げたものとなっています。
この記事を記載した神奈川支部の青木氏は、継続雇用者のモチベーションアップを狙いとする研修の依頼が増えてきており、この問題を取り上げています。青木氏に対する研修の依頼は以下のようなことです。
継続雇用者の中には、①ひきつづき先輩風を吹かして後輩社員から顰蹙(ひんしょく)をかう人があいる。②給料がダウンしたと言って働くモチベーションを下げ仕事に身が入らない人がいる。③現在の上司たちにとって上司、先輩にあたる継続雇用者が扱いにくいだけでなく、やがて自分たちもこのような境遇になるかと不安を抱く人がいる、④それやこれたで職場全体に悪い影響を与えかねない空いがあるということで、その対応策としての研修依頼があるのです。
青木氏は、長い第二の人生をときめいて生きるかどうかは、55歳から65歳の間の過ごし方如何によると考え、事例をグループワークをはさみならが研修を実施しています。 そして、以下の事項を研修を受ける者に認識してもらいます。
①「60歳過ぎても同じ職場で、変わり映えしないとご不満の向きもあるようでですが、60歳過ぎて他の職場に変わった人のことを考えてみてください。職場の場所も通勤経路も職場のレイアウトも上司、同僚もすべて変わるのです。これに対しひきつづき同じ職場で、すでに知り合っている人と働くことができるのです。これはハッピーではないでしょうか。」
②「60歳までは先輩として、リーダーシップを発揮する立場でした。必要に応じて後輩を指導し育成する役割を担っていました。しかし今、後輩からみて居てくれて助かる継続雇用者であるために、職場におけるご自分の立ち振る舞いを見直すことが大切です。ひきつづき後輩を指導し育成する役割を担っていると考えると、今の管理監督者が迷惑し、若者が混乱するかもしれません。先輩であることには違いありませんが、リーダーシップを発揮する立場ではありません。メンバーシィップ、フォロワーシィップに徹して職場の一員として働くことが肝要です。
高齢化社会の世の中で、継続雇用の雇用形態が増加します。しかし、継続雇用には、青木氏の研修に見られるような問題が内在しています。この問題を超えて行かないと、活力ある組織、社会が生まれないように私は思います。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます