TSUNODAの経営・経済つれづれ草

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「組織戦略の考え方」を読む

2011-11-05 21:36:24 | 今週の一冊

 沼上幹氏の著書、「組織戦略の考え方」を読みました。

 この本は来週から始まる地元高崎経済大学の公開講座で読むことが宿題と出されていたので読んだものでした。正直、あまり期待していなかったのですが、面白い本でした。

 まず、「組織設計の基本は官僚制」ということが、まず最初に書かれています。ルーチンワークは創造制を駆逐するという当たり前のことが書かれているのですが、この本ではその理由が事例を引用して明確に書かれています。

 それから、安泰な時代が作り出す「落としどころ感知器」と記述が企業内で出世していく管理者のタイプをよく表現しています。この管理者は皆のコンセンサスを重視するタイプの者です。しかし、先行きが見えない時代には、決断できる管理者が求められます。この時代には「落としどころ感知器」の管理者は必要どころか害になります。

 今の時代は先行きの見えない時代です。このような時代には、はっきりと進むべき方向を示してくれて管理者です。著者はこの「落としどころ探知器」の記述を「組織の疲労」の章で記載しています。今の時代では的確な表現ではないでしょうか。