あび卯月☆ぶろぐ

あび卯月のブログです。政治ネタ多し。
お気軽にコメントなさってください☆

「論座」と宮崎哲弥と渡邉恒雄

2006-05-12 03:25:36 | 書評・雑誌
最近の論壇誌で最も面白いのは「論座」かもしれない。
「正論」や「諸君!」は目次を見てもあまり読みたい気分にならない。
内容が悪いのではなくおよそ内容の予測がつくからだ。
毎回、中国朝鮮批判で少々食傷気味。

一方、論座は最近、新たな試みなのか保守系の論壇人を招いて記事を書かせたり対談を行なったりしている。

例えば三月号では正論の編集長を招き論座の編集長との対談記事が載った。
これはなかなか興味深く読んだ。

先月号も西部邁と八木秀次の対談が掲載されていた。
その中で西部氏が小林よしのりと訣別した旨の発言をしていたりと、なかなか見逃せない記事が多い。
(西部・小林の訣別はこの記事以外にままだ情報が出ていないようだ。)

論座のこういう姿勢は評価されてしかるべきだと思う。
ひとつ、「正論」や「諸君!」もこういう試みをやってはどうだろうか。
そうすれば、長い間、図書館だけで読むのを済ませていた「諸君!」を再び買い始めるかもしれない(笑)

同じ号に掲載されていた藤原正彦さんと記者の質問形式の記事は
藤原氏に喰ってかかるような質問の仕方で
戦後民主主義全面肯定・戦前全否定という立場から質問していたので
藤原シンパとしては不快だったが本人に直接逢って批判するという記事は論座以外には載っていないと思う。

同時に今まで一方的に保守論壇から叩かれていたきらいがあったが、
近号では「正論」や「諸君!」に対する批判記事も多くなった。
と言っても的外れな批判記事が多いことは否めない。

一方、中吊り倶楽部では宮崎哲弥が川端幹人の左翼的言動を諌めるやり取りが何度もあって楽しい。
しかし、小生、宮崎哲弥の思想的立場が一向につかめない。
たかじん委員会を見る限りでは親米保守という気もするし、
サイゾーでの連載では宮台真司と仲が良いようだし。
いつぞや、「敵対勢力に対抗するためには敵の陣地に入り込み中から撹乱させることが得策」という旨の発言をしていたので根は宮台に近いのかもしれない。

ところで、今号の中吊り倶楽部で宮崎氏は「格差の拡大と小泉構造改革の因果関係は証明出来ていない」とし、
今、格差が広がっているように感じるのは
景気が上向きになりつつも末端までに行き届いていないから起こる現象で
「一時的なもの」と断言して、川端幹人から小泉のシンパだとかなんとか揶揄されていた。
果たして、構造改革と格差拡大は無関係なのだろうか?


最後に。
二月号に載った渡邉恒雄・讀賣新聞主筆と若宮啓文・朝日新聞論説主幹の対談記事が完全収録されて緊急出版された。
小泉首相の靖国神社参拝批判で一致したことで、大きな話題となった対談記事である。
「大きな話題」になったのは言うまでも無く保守派と思われていた渡邉氏が首相の靖国参拝に反対したことにある。
じじつ、評論家の多くが「意外だった」「まさかあのナベツネが」というコメントをしていた。
ニュース23でも特集企画が組まれ、
筑紫哲也が渡邉氏と対談し、「驚きました」などと言っていた。

が、私に言わせれば渡邉氏の軍隊嫌いは有名だし、
靖国神社参拝批判を明言したのは最近だとしても殊更驚くことではない。
おそらく、驚いている連中は渡邉氏が元共産党員だということも知らないのではないか。
一般人ならそんなこと知らなくて当然だが、
苟も評論家やジャーナリストならば常識として知っておいて欲しかった。
私にとっては言論界においてもこの対談記事が「大きな話題」となったことが意外であった。