すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

トキワ松学園マンドリン・ギター部

2018-05-07 15:28:13 | 音楽の楽しみー楽器を弾く
 家の近くにある(と言っても、徒歩20分、散歩コース)トキワ松学園マンドリン・ギター部の定期演奏会を聴きに、パーシモンホールに行った。トキワ松にそういう部のあることは知らなかった。姪っ子を目黒区民キャンパスの芝生に遊ばせに連れて行って、ホールの催し物のチラシで知った。(ついでながら、区民キャンパスは都立大学の跡地で、芝生とホールと図書館とトレーニング・ルームとイタリアン・レストランとカフェがある、大変気持ちのいい場所で、家から40分ほどの、これも散歩コース。)
 中学生・高校生の部活だから、まあどんな演奏をするのかな? と思っていたら、とてもよかった。恐るべし,中高生の練習量。指揮の子も入れて15人の編成ながら豊かな音量で、最近耳が遠くなってきていてコンサートに行ってもそのせいで物足りない思いをするぼくにも十分音楽を楽しむことができた。音の乱れもリズムの乱れもなく、きれいな演奏だった。
 難しい曲に挑む意欲の強すぎるアマチュア・オケは、演奏者が弾きこなせないままステージに上がるから乱れるし、自信がないから音が小さくなる。この子たちはしっかりと指揮者を見ているし、ソロで弾く高音のパッセージ以外は手元を見ていない。
 三部構成で、一部はよく知られたクラシック曲。この中のボロディンの「ダッタン人の踊り」がいちばんの大曲で、これはマンドリニストの宮田蝶子さんが指揮をした。宮田さんはトキワ松にマンドリンクラブを創った方で、今でもコーチをされている。ぼくも彼女の教則本を持っている(ちょうど、「フラット・マンドリンでもやはり普通の教則本もやった方が良いかな」と思って、ひと月ほど前から始めたところだ)。
 第二部は、この演奏会で部活をやめることになっている高校3年生3人だけの演奏。ちょうど、1stが一人、2ndが一人、ギターが一人。それぞれが自分の好きな曲を持ち寄ってのアンサンブル。一人一人が卒部のあいさつと曲の紹介をするのだが、三人とも「これまで育ててくれたお父さんお母さん」、とか「温かい指導をしていただいたコーチや顧問の先生や先輩たち」とかいうところで泣いて言葉に詰まってしまって、とてもういういしかった。制服の袖で涙をぬぐいながら座って楽器を構えて、仲間とアイコンタクトで演奏開始…若いって、うらやましいなあ、と思った。ユーミンの「卒業写真」て、こんないい曲だったんだ。
 この時点で卒部してしまうのはもったいないような、でも学校の教育方針がしっかりしているのだろうな。
 第三部は、「スターウオーズ」や「銀河鉄道999」など、おなじみのメロディー。このあたりは、もう山場を越えて安心して弾いているから音がいっそう伸びやか。アンコールは「世界に一つだけの花」。たいへん気持ちの良いコンサートだった。
 1stの一番後ろ、客席に一番近いところに座った中学2年生が、さすがに緊張して表情を硬くして弾いていた。たぶん、あの子はまだ弾ききれないところがあるんだろうな。ぼくも経験があるが、ああいう時、客席からしっかり手元が見えてしまう場所で弾くのは、本当につらいんだよね。あの子があと3年経つうちに抜群に上達してコンサート・ミストレスになるのだろうな。これから毎年聴きに行って、応援してあげなきゃ。
 おじさんも、君たちには全然及ばないけれど、しっかり練習するからね。
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