すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

「素朴な琴」

2021-10-22 10:33:49 | 

こんな美しい秋の一日に
野山に出て
自分も自然の一員だったと
思い出す者は幸いだ
思い出したぼくは幸いだ

 …と、高尾から城山に続く尾根道で手帳に書きつけて、数歩あるいて、八木重吉をふと思い出した。
 ぼくのメモには、そういう気持ちになったという以上には、ぜんぜん価値がない(この頃のどちらかといえば鬱屈した日々の中で、そういう気持ちになったというだけで、良いことではあるが)。
 八木重吉はこう書いている:
   
  素朴な琴

この明るさの中へ
ひとつの素朴な琴をおけば
秋の美しさに耐えかねて
琴はしずかに鳴りいだすだろう

 ・・・晴れた秋の一日は、人の心を美しくする。リルケの「秋」(主よ 時が来ました 夏はまことにさかんでした/あなたの影を日時計の上に横たえたまえ・・・)もそうだ。

 

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