すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

日光

2021-11-03 14:37:04 | つぶやき

紅葉の山を下って
東武日光の駅に着いたら
駅舎の入り口に若いカップルがいて
「どこまで行かれるのですか?」と訊くので
「浅草です」と答えた

「株式優待の乗車券が二枚あって
どなたかに差し上げたいのですが
使っていただけますか?」
「ありがたいのですが乗車券なら
別の日に使えるのじゃありませんか?」
「いいえ 私たちにはもう必要ありませんので」

山の費用を少しでも浮かしたいぼく達は
大喜びで頂戴したが
どういうことだろうか?
列車が動き出してから気になった

あの二人は あれからどうしたのだろう?
若い美しい 物静かな二人だった

あれから数日間
もしかして と
新聞を開いていたが

幸せいっぱい というのでなく
悲しみに沈んだ というのでもなく
何事かを決めたような
さっぱりした表情に見えたのは
あとからそう思っただけかもしれない

足尾から峠を越えるバスの中で
あの日に勝る光溢れる紅葉を
独り眺めながら
あの二人をまた思い出した
(日光に来るたびに思い出す)

寄り添って立っていた若い美しい二人

あの二人はもしかしたら
今でもまだこの紅葉の山を
彷徨っているのかもしれない

そう思うのはもしかしたら
ぼくの勝手な願望だろうか?

それとも そうしたかったのは
本当はぼくの方?

 

コメント
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