朝からあまり寒くもなく、久しぶりの良い天気だ。久しぶりに林試の森に来て、お気に入りのベンチに座る。二週間ぶりだろうか。その二週間の間に、芝生広場を囲むヒカンザクラもケヤキも色を変えてしまった。大きなお兄さんのようなクスノキを除いては。
「久しぶりの」、と書いたが、その間にも良い天気は何日かあったのかもしれない。ぼくが外に出なかっただけだ。風邪をこじらせて、引きこもりの日々を送ってしまった。と言っても、熱は平熱、35.7℃のまま。大したことはなかったのだが、小心者のぼくは、ちょっと具合が悪いと外に出るのが怖いのだ。
10月24日に朝日連峰から帰ってきて、向こうでは雨の中を歩き回ったのだが絶好調で、でも気付かないところで疲労していたのだろうか。29日高尾山に行って、絶好調の続きで駆けるように歩いて(稲荷山コースの下り、所要時間目安80分のところを45分で下りた。現在のぼくとしては記録的)、大汗をかいて、「速乾性の肌着だから、着ているうちに乾くだろう」と思い、ビールを飲んで京王線に乗って寝込んでしまったら、新宿につく前に寒くて目を覚ました。夏なら上にシャツさえ着ていれば十分乾くのだが、この時期では大きな油断というものだ。翌日から喉と鼻がやられてしまった。
高尾山はまだほとんど紅葉が始まっていなくて、「年中登っていて何時行っても飽きない高尾山」、のはずだったのだが、那須と朝日を歩いた後では、「なんか、高尾山って、物足りないな」と感じてしまったので、天狗様の怒りを買ったのかもしれない。
美しい季節だ。引きこもって無為に過ごしている間に、たった2週間で、季節は進み、大統領選挙でトランプが(やっと)去ることになり、コロナの第3波が始まりかかっている。季節も世の中も、年寄りを置いてどんどん動いていく。
立ち上がって帰らなければならない。今日は午後、脳の検査が待っている。手術ではなく「経過観察」ということになるのだろうが、明日から気を取り直して、「風立ちぬ。いざ生きめやも」としたい。
(あ、心配してくださる方がいるかもしれませんが、ぼくは、山の記録でもそうですが、大したことでないことを大げさに書くのが得意なので、心配は御無用です。)