すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

石炭袋

2020-11-26 21:23:51 | つぶやき

暗い空間に
波が立ち 崩れ 重なり 整列してゆく
ここはどこの宇宙だろう?

横たわる白い やや乱れた帯は
天の川だろうか?
その中の黒い塊りは
カンパネルラが「石炭袋だよ。そらの穴だよ」
と言ったものだろうか?
ジョバンニと同じく ぼくも戦慄する

  その石炭袋が時に千切れて運ばれ 詰まり あふれると
  宇宙は痙攣して 暗黒の終焉を迎えるのだ

黒い塊の隣に
光が生まれ 輝きを増し ついで色彩が現れる
赤や黄や青が 膨張し 収縮し 炸裂し 干渉し
紫から赤外へ 遷移してゆく

ぼくは息を呑んで見つめる
ぼくの宇宙で
星が 生まれては死んでゆくのを

・・・最近いく度も 頭や首を輪切りにされている。見えないメスやカッターが騒音とともに、縦に横に脳や血管をスライスしてゆく。それが何の影響もないものかどうか分からない。高エネルギーのX線や磁力線が通過して脳細胞を発熱させないのだろうか? 検査台から下りると、頭の中をもみくちゃにされたような疲労を感じる。「気のせいだよ」と言われたが、ここのところ幾夜も立て続けに悪夢を見るのはその影響ではないのだろうか?(もうそれを記述する気になれないが。)
 でも、CTやMRIはともかく、頸動脈の超音波だけは、受けたくはないが少なくとも、美しくないことはない。右側は壁を向かされるから駄目だが、左側は医師の横顔の隣に画面を見ることができる。生命の、いや、宇宙の神秘を見ているようだ。感動的ですらある。

コメント
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