すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

浄化

2019-12-07 08:44:39 | 夢の記
 暗い岩のトンネルのような所を歩いている。そう狭くはないし、天井はそう低くはない。だが、どこまで続いているかわからない。ぼくのすぐ前をがっしりした男が一人歩いている。黙々と、ぼくに背を向けたまま歩いていて、いちども振り返らない。それがぼくの案内人なのか、獄卒のようなものなのか、それとも同じ運命の赤の他人なのかはわからない。
 その場所をぼくが「トンネルのような」と感じるのは、「洞穴のような」でないのは、「そのはるか先にきっと出口があって、光あふれる場所が広がっているはずだ」とも感じているからだ。
 そのトンネルは、ぼくに与えられた試練、あるいは罰、のようなものかもしれない。煉獄のような、浄化のための場所かもしれない。だがそうだとすれば、ぼくに罰を与える主体は、ぼくの罪を浄化する主体は、いったい誰か?
 ぼくは神のような存在を信じてはいない。ならばそれは、ぼく自身? あるいは僕の倫理? でも、ぼくの倫理を形成しているのは、社会の倫理のはずだ? ならば、社会?
 …などと訝しく思いながら、暗いトンネルを、先を行く男の後ろを、黙々と歩き続けている。
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