すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

倉岳山・高畑山

2019-02-07 21:47:01 | 山歩き
 雪は全く、ひとかけらもなかった。山道がカラカラに乾いていたので、昨日はあのあたりでは雨さえも降らなかったのだろう。このコースは夏に2回、冬に1回来たことがある。前に冬に来た時には、山腹をジグザグに登っていく道が雪で覆われていて、アイゼンがなければ滑り落ちる危険がある感じだったのだが、それを期待していたのだが、残念だ。
 雲が広がっていたので、今日は富士山はダメだろうな、と思いながら登ったのだが、どちらのピークからも美しく白い姿が、いくらか霞んで見えた。ここは両方とも、富士の美しく見える名所なのだ。「竹取物語」をいくらか詳しく読んだ後なので、富士を見ておきたい、というのも今回の目的のひとつだったのだ。
 高畑・倉岳とも山頂付近は、立っていると体を持って行かれそうな、すごい突風が吹き荒れていた。
 今日も人にほとんど会わなかった。鳥沢の駅で降りた登山客はぼく一人。春秋はけっこう人気の高い山なのだが、登山道に入ってからも誰も会わず、高畑山の頂上でお昼を食べている間も誰も来ず、倉岳山の山頂までのあいだも誰にも会わず。まるで、世界はいつの間にか終わってしまっていて、風が吹き荒れているのはそのせいで、人類はすべて姿を消してしまって、ぼく一人が生き残って、しかもそのことを知らずに歩いている、というような不思議な気がしながら歩いていた。
 倉岳山の山頂で休んでいたら、やっと大学生が一人ぼくの後からやってきた。良かった、ぼくは人類の最後の一人ではなかった。
 並んでベンチに座って富士山を見ていたら、突風で目の前の道標が倒れた。「←梁川駅 高畑山→」と書いてあるやつ。見ると根元は平たい鉄板でできていて、鏃のように先がとがっていて、それを地面に打ち込んで周りに石を並べただけのものだった。二人でそれを立て直して石で押さえた。ちょっと面白かったが、また倒れるだろうな。
 倉岳山からの尾根道は倒木がすごかった。沢沿いに下る道もひどく荒れていた。もともとここは以前から荒れた感じの沢なのだが。水場もすっかり干上がっていた。荒廃した下りが長くていささか飽きた。
 けっきょく、今日出会ったのはその大学生一人だけだった。
 明後日土曜日は都内でも雪になるそうだから、きっと山ではたくさん降るだろう。ただ、残念ながらぼくは次は月末にならなければ山に行けない。その時はもう少し標高のあるところに行こう。

コースタイム:鳥沢駅スタート9:15、小篠貯水池9:52、地蔵分岐10:28、仙人小屋跡11:22、高畑山頂12:00~30、穴路峠12:55、倉岳山頂13:30~45、立野峠14:10、登山口15:11、柳川駅15:30
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