toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「青山に在り」 篠綾子

2019年01月16日 | 読書日記
久しぶりに良い小説を読んだ気分です。
細かいところで色々言いたいことがあるものの、全体としては素晴らしい。

読み始めてすぐに分かるように、着想は間違いなく「王様と乞食」。
設定は同じでもストーリ展開はまるで異なる。

主要登場人物が「正義の味方と悪者」にはっきり分かれていて、正義の味方はどこまでも清廉潔白であるのに対して、悪役は性格や考え方がゆがんでいる。
生い立ちや境遇である程度は分かるけれど、ちょっと極端にはっきり書き分けられすぎている。
そういう人物が登場するのは構わないけれど、みんながみんなそんな人ばかりで、そこのところがちょっと・・・。

悪役の宗像舎人のとんでもない考えが結局正解だったという流れも気に入らない。
なんの脈絡も無く気づいてしまったところがあまりに不自然。
結果的に舎人が最初に気づくのはストーリー上良いとしても、そこに至る思考過程が欲しかった。

最後の場面もあれで良かったのか。もう少しもって行きようが無かったのか…。
そして何と言っても、真実を知った左京と時蔵そしてお通がこの後どうなるのか。。
ここで終わっちゃうの??

と色々書いてきたけど、最初に書いたように全体としては良い作品でした。




KADOKAWA
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする