toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

婚約のあとで

2011年08月13日 | 読書日記
阿川佐和子著

主人公の波が連休にアメリカに出張中の婚約者と会って帰国するところから物語がはじまる。
飛行機の中で謎の老人と出会う。

ずっと波の視点で書かれていたのが、その後は波といろんな接点を持つ別の女性が主人公となり、彼女の視点で物語が進んでゆく。
文体も個性に合わせて変るので、読んでいて混乱することはない。

最後はまた波の視点に戻り、波の結婚式の場面で終わる。
最後の最後に、結婚した二人がアメリカの戻る飛行機の中で、最初に波が出会った謎の老人と再会する場面が、波の夫の視点で書かれる。

ストーリそのものは波乱万丈なところも有るがその割りに凡庸な印象を受けるけれど、生き方の違う様々な女性が、それぞれの視点で語るので、他の人からの評価と本人の意識の違いなどが際立って、それが面白い。

新潮文庫 定価629円
コメント
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