昨夏、10号台風の豪雨増水に因る漏水孔部の崩落と越流浸食で大人3人分はゆうに押しこめられそうな穴が開いてしまった第二沈泥分水池の堤部分を半年も経過してからようやく埋め戻しに着手出来た。この大穴が更に浸食で広がり決壊してしまえば下棚の泥水池は破壊され全滅だろうし、新たに土嚢から積み上げて堤を築く事など早急には不可能なのである。で、ようやく心配事のひとつが萎んでくれたのだ。
今まで着手出来ずにいた要因は暑い気象条件が続いた事や埋め戻す土の確保が難しかった事もあるのだが度重なる水害で補修が間に合わず年明けからは取水地の復旧作業に掛かりきりになった事も影響している。水域の泥浚いも喫緊の課題だけれど構造破壊に直結する陥没孔の埋め戻しは優先順位は高いし、泥水地内に更に危険な穴が出来てしまっている現状はある意味、末法に近いとも言えよう。それでも水源地の復旧がなんとかなって水の確保の目途が立ったことで埋め戻しに入れたのである。
さて、肝心の用土であるが当初の目途は沢奥の斜面崩壊の流出土を運ぶつもりだったが、いかにせん距離がある。覚悟をしていたのだけれど秋口に沈泥池の泥浚いをして盛り上げておいた土が使えそうなので今回は近場のそれで間に合わせる事にした。心配な点は元々が泥土なので水を含めば流動化し易いという事に尽きる。とは言え適切な用土を調達できる環境ではないのであった。終わってみれば一輪車で30杯を運んでいるが、天井が抜けずトンネルになっている部分を崩し埋め戻せば更に20杯は運ばねばならないだろう。
しかし今回は土嚢と水抜きのパイプの用意が出来ていないので落ちて怪我でもしたら大ごとになる穴を埋めただけで終わった。本来ならば一層ごとに胴突きで突き固めて埋め戻すべき作業なのだが一輪車で土を運び胴突きで固める作業の連続は思うだけでも逃げたくなる作業に思えたので土を投入しただけでひとまず終えた。水抜きパイプと土嚢の壁をセット出来たら新たに再投入する事になる。