
植え付けするなら適期だし早めに定植する方が活着も早く成長も健やかなので会の金庫は決算期を迎え枯渇気味と聴いていたからフイールドに点在させる最低本数5本を自腹購入したのである。フイールドには堅果を落す樹種が少ないから20~30本は欲しいのだけれど自腹ではそうはいかない。追加は助成品で賄おう。
ポット苗だが購入するにあたりポットの大きさの違いがあった。根鉢が大きい方が当然高いのだが自腹となると安い方を選んでしまった。植え付け時の心証では3号ポットでなく4号ポットで購入すれば良かったと思ったのだ。目の行き届く範囲ならともかく広範囲に散らして定植したからそうそうご機嫌伺いにはいけない。こういう場合、根鉢が大きい方が耐ストレス性が高いので植え付けさえしっかりとしておけば多少のサボリは許される。
今回の植栽は「生物生産緑地」としての里山保全かつ森づくりの一部でしかないけれどマテバシイが結実するようになってくれればそれだけで食料自給率は上がるし被捕食動物を養う事が可能になる。その結果、食物連鎖の構成が強固になるはずだ。届いた苗上体はしっかりとしているが根鉢がやはり小さかった。植えつけは翌日となるのでとりあえず潅水し風の当たらない壁の影に立てかけておく。
既に植え付け場所は決定してあり杭3本と園芸支柱を置いてあるから、当日は速やかに植穴を掘って根の位置を正し水決めし支柱を添え竹杭3本で揺れない様に固定すればマテバシイも小生も落ち着くはずであるが、これだけでその夜の眠りは浅くなるのだろうと今から思いやられる・・・。植栽が済んだら温泉に行くのだ!。
で、翌日は絶好の快晴、夜間申し訳程度1mmの降雨だったが雨水頼みの三日月池の貯水量が増えるまでには至らず。干上がり寸前の池から水決めの水を賄う訳にはいかずタンクで水を運んでの作業になった。平坦地だけでないので一輪車に道具の一切合切を載せると斜面を上がり切れない。途中にはタンクを持って運ばねばならない地形もあったのである。
土質の悪い箇所は腐植質をバケツ1杯混合させ園芸支柱を立て支えの真竹の支柱3本で固定し苗木を添わせ水決めして麻縄で結わえた。5本と言えどもこまごまと結構な作業量になった。他人の手を借りると言う策もあるけれど、植え付け後に枯れ死し難い丁寧さは期待すべくもないのでどうしても自らの手植えに拘る。
入域初期の頃、会を上げての植栽で定植した半分近くの苗を枯れ死させた事があり、周辺の春のイベント植栽では夏までに半数近くを枯らす様な結果も知っているから苗木の植え付けはそれ以降は他人任せにしてはいない。でもまあ、「もう託さんわい…」と思えども歳を重ねると「もう沢山…」でもある。




でまあ、「お背戸に木の実の落ちる頃・・・」までには10年要するから、その頃の我がフイールドは想像だに出来んけれどまた荒山に戻っている可能性が高い。と言う事は「フクロウの営巣・子育て」を見る事は叶わないと言う事になるだろうが、そもそも育樹なんて半世紀を見据えなければならんのだから「よし」とする。この日午後から山の出湯に行く予定だったけれど昼寝になったわい・・・。
寄る歳波には勝てず拠りたい湯波には近づけず我が煎餅布団1枚隔てた下は波打つ畳で…我慢した。布団の温みも出湯の温みも「温みに変りはあるじゃなし」てなもんや三度笠。