トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

**穀倉の大地、献花スノードロップ

2023-03-23 | 温故痴新
           幼子ら降る砲弾下地下室の長き長きを堪えし今日も
            娘子らが袖布留山の瑞垣の久しき時ゆ思ひき我は          巻四・五〇一  柿本人麻呂

           この世にし平和にあらば来む世には麦にも土にも我はなり南無
            この世にし楽しくあらば来む世には虫にも鳥にも我はなりなむ    巻三・三四八  大伴旅人

           意の中は惨き者ぞと知る時しいよいよますます守り固めよ
            世の中は空しきものと知る時しいよいよますます悲しかりけり    巻五・七九三  大伴旅人

           沫雪の弾着痕に降り敷けば首都の家族を思ほゆるなり
            沫雪のほどろほどろに降り敷けば奈良の都し思ほゆるかも     巻八・一六三九  大伴旅人

           黒髪が白くなりたる一夜でも国土守るぞ撃ちてし止まん
            黒髪に白髪交じり老ゆるまでかかる恋にはいまだあはなくに    巻四・五六三   大伴坂上郎

           ゲヘナとな東部の街は最弱者屠る侵軍今盛りなり
            あをによし奈良の都は咲く花のにほふがごとく今盛りなり     巻三・三二八   小野老

           避難所を撃ち崩されて這い出せば瓦礫の下に命ありける
            田子の浦ゆうち出でて見れば真白にそ不尽の高嶺に雪は降りける  巻三・三一八   山部赤人

           東の野に砲煙の立つ見えて返り見すれば街傾きぬ
            東の野に炎の立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ         巻一・四八   柿本人麻呂

           七重八重弾は炸裂反撃の砲ひとつだに増えずかなしき
            七重八重花はさけども山吹のみのひとつだになきぞあやしき    雑五・一一五四  兼明親王