バードマンズBAR改~むしろトリ

映画、音楽、アニメ、漫画、女優など興味あることについてつぶやきます。

映画「Born to Be Blue」

2016-12-30 09:50:59 | 映画

トランペット奏者チェット・ベイカーを描いた映画。主演のイーサン・ホークの演技が素晴らしい。

大体、ジャズミュージシャンの映画といえばドラッグまみれの話が多いのですが、御多分に漏れず麻薬と音楽と愛についての物語。

ジャズ界のジェームス・ディーンともてはやされて人気絶頂の時に薬の売人に襲われて、前歯をすべて失い、トランペット奏者生命を絶たれたかと思われたが、そこからでもう一度吹けるようになるまで諦めなかった強い精神力を持っているのに、また最後に麻薬に手を伸ばしてしまうという人間の弱さを表現した佳作だと思います。

最後のクライマックスでジェーンがバードランドで演奏するチェットの演奏を聴いて涙するシーン。この涙の意味が二重にも三重にも深くて、ここに集結するまで、このシーンを描きたいが為に良く練られた脚本だと思います。

昔、クラリネットを少し吹いていたころに「チェット・ベイカー・シングス」というアルバムを良く聴いていましたが、その頃に無謀にもチェットのソロを耳コピしようとしていた曲で、このアルバムの中で一番好きな曲「Look for the Silver Lining」で今年を締めくくりたいと思います。どんな悪いことの半面にも良い半面が隠されているという歌です。

「胸いっぱいの楽しみと喜びはいつでも哀しみと争いを打ち消してくれる だからいつでも銀色の裏地を探して人生の明るい面を見つけてごらん」  

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映画「この世界の片隅に」

2016-12-20 01:39:00 | 映画

原作の良さを損なうことなく良い作品でした。

本当の豊かさとは何なのかを考えさせられます。ものが無いことを様々な工夫で乗り切っていく様子が面白いです。もちろん有ることに越したことはないですが。 例えとして適当ではないかもしれませんが、ネット環境が身近でなくYouTubeも存在しなかった頃、ラジカセの前でラジオを聴きながら常に録音スタンバイして、お気に入りの音楽を探していた時に聴いていた音楽は今も深く心に刻まれています。電脳の海に音楽が溢れかえっている今では、聴きたいものが探せばすぐにでも手に入るというのがかえって意欲を減退させるという皮肉な状態になっているような気がします。 今の世の中どのように生きていけばよいのかというヒントが映画にちりばめられているように思います。

 

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木彫鳥形アクセサリー

2016-12-10 01:53:22 | デザイン

勤め先で長年勤務されてきた方が退職されるので感謝の気持ちを何か形にしてプレゼントしたいと思って、さて何を作ろうかと思案していた時に偶然見たテレビ日曜美術館の正倉院展で紹介されていた宝物「撥鏤飛鳥形(ばちるのひちょうがた)」という染め象牙の鳥形かざり

を見て、これはいい、これにしようと決めました。この画像をその時に探しておけば良かったのですが、作り始めた時は一切資料なしだったので、全く違うものになってしまいました。

彫りはじめてしばらくして羽のところに節があるのを発見。仕方ないので穴をあけて何かをはめることにします。

真珠をはめることにしたのでバーナーで焼いて黒くしてコントラストを際立たせよういう魂胆でしたが、火力が強すぎて、吊り下げる用に開けておいた穴が焼け落ちて形が変わってしまうという失態。それに焼いて磨くだけでは思ったほどきれいにならない。苦肉の策で漆を塗ることに。しかしまたこの後、首が折れるという悲劇に見舞われることに。材質が栗の木で非常に硬いので強度を過信しすぎていました。首が折れると同時に心も折れてしまいがちですが、そんな時間的余裕がなかったので、木工ボンドで修復し、念入りに漆をかけて補強し、ついでに焼き過ぎてできたひび割れも漆で埋めて平滑にすることを心がけました。

そしてようやく完成

真珠のパーツに糸を通す用の穴が開いているのに気が付かずそのままですが、目玉みたいでいいかと自分に言い聞かせました。

無計画な故に何とも中途半端なものが出来上がってしまいました。まぁ気は心ということで受け取っていただければと思います。

コメント (2)
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NHKスペシャル「終わらない人 宮崎駿」

2016-12-01 01:51:00 | テレビ

「老監督と言われる人はみんなそうですよ」 「みんな映画を作っているのが一番面白いんだよ」

そうです。監督がそう言いだすのを待っていました。創作する人に終わりはないのです。これだけやったからもういいとか言うことはあり得ません。監督的には体力的に長編映画は無理だという判断だったのでしょうが「映画を作っている時に死ぬのが幸せ」みたいなこともおっしゃっていたので、もう引退とい言葉は封印されたと思いたいですね。

「自分が好きだった映画はストーリーで好きになったんじゃない」 「ワンショット見た瞬間に、これは素晴らしい」 「それが映画だと思ってるから」

監督の作品に対する考えが良く言い表されています。もともとストーリーボードという印象的なワンシーンを描いて、そこから話を広げていく手法の監督らしい言葉です。 自分もストーリーが面白いからと勧められた漫画でも絵的に魅力を感じなければ読む気がしないので良くわかります。 

映画を観て「面白かった」と思う要因の一番大きなものに、「こうなるだろうな」という予想を裏切らること。自分の予想の遥か上空を行かれると、そのギャップの大きさが何だこれは!という混沌から感動が生まれるのだと思います。そしてその創造の飛躍が、ずば抜けて素晴らしい監督が宮崎駿監督に他ならないのです。現在の映画監督の中で最上級だと思っています。

 またワクワクさせてくれる映画を世の中に送り出してくれることを願ってやみません。


 

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