月の輝く夜。本当にきれいなお月さまでした。
軍隊の鬼教官と訓練生の話のような音楽映画でした。緊張感が凄まじいです。この若い監督デイミアン・チャゼルという名前は覚えてほいたほうがいいかもしれない。監督自身も主人公と同じような経験をしたことがあるようで、映像に説得力がありました。演奏部分はもちろん、人間ドラマも素晴らしい緊張感をもって描かれていました。そしてやはり最後のクライマックス「キャラバン」の演奏でのフレッチャーの表情の変化だけで見せる演技はうならされます。観る者に幾通りもの解釈を可能にさせることが作品に深みを与えています。単に復讐のための嫌がらせか、最高の演奏を引き出すためのプレッシャーか。物語中にチャーリー・パーカーとジョー・ジョーンズのエピソードを引用しているところから後者の解釈をしたいところです。パンフの文章の中に原題でもあるWhiplashという言葉本来の意味は「むち打つこと」=「しごき」のダブルミーニングにもなっており、監督が仕掛けた謎かけに一層興味がそそられます。
どんな状況でも諦めず這い上がっていく力強さが、ドラミングと呼応しているようで気持ちの良い作品でした。
個人的には宮崎駿監督にデザインしてもらいたいと思いますが、まぁ断られるだろな。
デザインはシンプルでわかりやすいものが良いという基本はわかりますけど、シンプルになればなるほど類似性の確立が上昇するものです。この際、混沌としたカオスなデザインでもいいのではないかと思う。一度提示して皆が認識してしまえば分かりやすさなんて問題にならないのではないか。
若冲が好きなので、若冲の作品をモチーフにしてコンペというのもいいな。
「まれ」を観たのは結局最初のほうだけでした。大河ドラマもそうですが、主人公の子供時代を描いているときのほうが面白いと感じるのはなぜなのだろう。周りの人間の魅力が際立つからだろうか。子供時代をもっと長くして脇役の描写で主人公を浮かび上がらせるような方式も面白いかもしれないと思いました。