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今日の筆洗

2021年05月24日 | Weblog

 誰も入ることができない部屋の中で被害者が死んでいる…。「密室殺人」は推理小説の花形ジャンルだろう。どうやって、殺人を犯し、その部屋から出たか。トリックの謎解きは面白い▼「密室」ものの嚆矢(こうし)はエドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人」(一八四一年)だが、その部屋では合鍵が使えないことを強調して説明している。密室トリックの傑作、ガストン・ルルーの「黄色い部屋の秘密」も同じで、鍵がドアの内側からささったままになっており、外側から合鍵を使おうとしても無理な状態になっている。作家たちは「密室」をつくるために知恵を絞っている▼部屋を自由に出入りできる、その合鍵はずるいとミステリー作家たちは怒るか。福岡県久留米市での事件である。医学生だった男が勝手に作った合鍵で、女子大学生の部屋に侵入し、盗みなどを繰り返していたとして逮捕された▼注意すべきはどうやって合鍵を作ったのかというトリックである。謎を解くキーは製造番号。鍵に記されている製造番号を覚え、業者に発注して合鍵を手に入れていたらしい▼この方法ならばオリジナルの鍵がなくても合鍵を注文できてしまう。自分だけが入れるはずの部屋が守れぬ▼よこしまな手口を破る方法は一つ。鍵の製造番号は銀行カードの暗証番号と同じと考え、絶対に人目に触れさせないこと。製造番号にも心の鍵を。


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