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今日の筆洗

2019年08月26日 | Weblog
  その名前は今も「高島」という地名として横浜に残る。高島嘉右衛門(かえもん)。幕末・明治期の実業家で横浜沖の埋め立て事業を行った「横浜の父」のお一人である。横浜にはかつて「嘉右衛門町」という地名もあったそうだから往時の勢いが分かる▼手掛けたのは埋め立て事業にとどまらない。鉄道、日本初のガス灯建設、ホテル、学校経営など幅広い分野で活動し、かつては寒村だった横浜の発展に大きく貢献した。有名なのは「易聖」と謳(うた)われた易占いの実力の方か。日清、日露戦争の勝利も的中させた。伊藤博文暗殺の凶兆も見抜いていたそうだ▼「横浜の父」にこの判断の吉凶を占ってもらいたいものである。横浜市の林文子市長がカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致方針を表明した▼賛否の分かれるIR誘致問題に対し、これまで白紙とおっしゃっていた。ご当地ソングの「ブルー・ライト・ヨコハマ」でもあるまいに、唐突に<わたしはゆれて ゆれてカジノの腕の中>では反対派は収まるまい▼持続可能な横浜経済を構築したいという市長の考えは分からぬでもない。が、人を不幸にしかねない博打(ばくち)を当て込んだ成長を望まぬ市民がいる。ギャンブル依存症や治安悪化を心配する声がある▼カジノ誘致は単に経済の問題ではなく人の生き方の問題かもしれぬ。丁寧に市民の意見を聞くべきである。占うまでもない。

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